チャレンジ精神で新しい新潟の酒を 造り手、売り手、飲み手も巻き込む老舗蔵『笹祝酒造』
東京から地元に戻った若き6代目が、さまざまな挑戦を続けている。
■話題を呼んだ『笹祝』無濾過シリーズ
笹祝シリーズの酒米は、兵庫県特A地区より仕入れる山田錦。絞った後、濾過せずに瓶詰めし、1年ほど貯蔵させた。
「当時の新潟県内の酒蔵で濾過しない酒はなかったようで、色がついた酒だと市場がざわついたそうです。賛否両論ありましたが、深み、飲みごたえがありながら飲みやすいと人気に火がついた。今ではうちの看板商品です」
父の精神は笹口専務にしっかりと受け継がれている。 昨年、地元、松野尾地区で栽培した亀の尾のみで、昔ながらの生酛造りで醸した『壱ノ巻』を発表。結果、大好評となり、県産日本酒の新しい魅力として注目を浴びた。
■さまざまな人たちを巻き込む
「この銘柄には新潟市内の酒屋や飲食店、日本酒サークルなど多くの知り合いで意見やアイデアを出しあいました。造りの手伝いにも来てくれたしね」。
麹造りからラベル張りなど酒造りの楽しさを感じてもらうことで『壱ノ巻』の愛着を持ってもらうこともできた。
「今期もいろいろ考えていますよ。新潟の酒は淡麗辛口の印象がまだ強いけど、もうそれだけでは誰も振り向かない。私は新潟の酒の未来に一波乱起こしたい。そのためにも地元で愛され、地元の人と共に歩んでいかなくては」
日本酒王国、新潟には常に新しい波が巻き起こっている。 蔵元自慢のお酒を紹介しよう。