天然湧水仕込みに総槽搾り 新潟・糸魚川『雪鶴』の蔵元杜氏が手塩にかけて育てるもの

「糸魚川ブラックやきそば」などご当地グルメとも仲間になりたいと「ブラックシリーズ」も開発。

■保湿保温効果も抜群の麹室

雪鶴

造りは和釜と甑で米を蒸し、解放タンクに仕込む。解放タンクのために、蔵付き酵母の影響もあって、雪鶴の酒質は生れるという。

昭和初期建造の麹室は壁厚1m、天井や床と共に籾殻がぎっしり詰められている。「籾殻は保温性に優れ、断熱材として優秀なんですね。熱源は電熱器ひとつで、30℃台を維持できます」と田原蔵元。

ここで造られる麹は昔ながらの箱麹法によるもの。小箱麹による少量仕込みだ。


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■総槽搾りで上槽

雪鶴

発酵した醪は、総槽掛け袋搾りで上槽される。布でできた酒袋に醪を入れた後、槽に敷き詰めて、最初は積まれた酒袋の自重で酒がほとばしり出てくる。圧搾機で搾るより時間も手間もかかるが、味わいは綺麗。雑味の少ないお酒となる。

蔵には佐瀬式の搾り機が2基あるが、珍しいことにいずれにも槽の外側には白いタイルが張り詰められている。昭和の中頃に導入したらしいが、なんとも優雅。上槽という最終工程に、白い雪原を舞い立つ鶴に思いを重ねたのだろうか。

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■ハイドロトリーターによる特許製法