丸山ゴンザレスがジャーナリストを名乗るまで 「暗黒時代を救った出会い」とは

『クレイジージャーニー』で注目の危険地帯ジャーナリスト、丸山ゴンザレス氏による渾身のコラム。

■偶然の出会いからチャンス到来!

その夜、友人と編集長と飲みながら、ふたりに自分の旅のエピソードなどを話していたら、「それ面白そうだから、ちょっと書いてみなよ」と、編集長から言われた。

私はその頃ピュアだったので、帰宅してからすぐに「本1冊って何文字くらいなんだろうか」と、適当に選んだ文庫本の1ページが何文字くらいかを計算して、1冊分の原稿をワードで書いて持って行った。

当時は暇だったが、それでも書き直しや書き足しが必要で、何ヶ月か掛かった。素人なりに工夫を盛り込んで書いたつもりで、それが意外と良かったらしく、結果的にそのまま本になった。

ただ、「できました!」と、原稿を本当に持っていったときの編集長の表情はやや引きつっていたかもしれない。

それはさておき、ここで当時の私は、ある気づきを得てしまった。 「書くより書かせるほうが楽なんじゃないか?」 編集者に聞かれたらぶん殴られそうな気づきでも、後に本当に作家ではなく編集者という仕事に就いてしまうわけだから素人考えというのは恐ろしい。


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■会社が倒産したことで

しかも、じつはちょうどその時、タイミングよく(?)勤めていた測量会社が倒産してしまったのだ。入社してから約1年ぐらいの出来事だった。

倒産に至る末期の日々は、さすがに衝撃だった。 みなさんは潰れかけの会社に勤めていた経験があるだろうか? なかなかすごい状況になるものだ。

たとえばオフィスワーカーの強い味方であるはずの『ASUKUL』が明日来ない(笑)。そして、フロアの電気がだんだん落とされていって室内の半分くらいしか点いてない。

さらには、社員もみんなだんだんと口数が少なくなっていったり、ちょっとでも早く退社しようとすると「なんだ、お前、転職か?」と言われたりする。

お互いが疑心暗鬼で、誰も信用できない雰囲気の中で、「もう嫌だな」と思っていたことも転職活動を後押しした。

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■編集者として出版業界に入る