『クレイジージャーニー』でも話題の危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスが吠える

「ジャーナリスト論」をテーマにした、10月からの新連載コラムだ。

■「旅人」という取材姿勢のルーツ

僕がもともと「旅人」で、今も旅を大事にしているから思うことかもしれません。「旅人」は、世界中どこに行くのに、ひとつ所には留まらない。例えば、僕が今日、ある村で起きた事件を目撃して、数日後に隣村に移動したとする。

するとそこで、もう事件の噂が入ってきているのを耳にするわけです。内容も少しずつ変化している。そうやって口伝えの情報は伝播していくたびに変容していくものだからこそ、直接見てきた人が、見てきたままを語るべきなんじゃないかなと思います。

同時に、人の情報というものは常につながっているから、隣村事件は次の村からまた次へと伝わっていく。それは国単位でも同じことが言えます。


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■「日本だけが特別」ではない

ある情報が自国に伝わってきた時に、密接か否かという程度の違いはあれど、日常生活に関わってくることがあります。具体的に言うと、とくにドラッグのトレンドは日本に関わってくると断言できますね。

今アメリカで、とあるドラッグが流行ると、次に伝わる先は確実に日本です。「危険ドラッグ」も、ニュースで騒がれた時はみんな日本国内だけの問題だと思っていたかもしれませんが、日本で摘発が相次いでいた時期に先駆けて、既にアメリカでは社会問題になっていました。

だから、海外の「今」は日本と無関係ではないというのは間違いないし、先ほども言った通り、「日本だけが特別」というわけではないんですよ。そういうことをフラットに見たいといつも思っています。

僕の取材先がアジアとアメリカが多くなるのは、その2つの地域が世界中で最も日本に関わってくるからです。ネタになることが多いので、必然的に行先に選びやすくなる。やっぱり行くならネタが多い所にいきたいですしね。

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