『クレイジージャーニー』でも話題の危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスが吠える

「ジャーナリスト論」をテーマにした、10月からの新連載コラムだ。

■ストレンジャー精神が生む覚悟

僕の持っているその種の覚悟は、言わば「ストレンジャー精神」に依るもので、いつまでも「よそ者」「はみ出し者」という立場のままで新しい世界にチャレンジするのが好きなんです。

今までやったことのないことなら、むしろ大歓迎なんです。 この「ストレンジャー精神」については、菊池成孔さんがラジオ番組で以前に語っていたことがあって、それを聞いたときに「俺が考えてたことってこれだ!」と腑に落ちて、ほっとしたのを覚えています。

自分の中にある抽象的だったマインドが、第三者の言葉を借りて輪郭がくっきりしてくるようで嬉しくなりました。


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■「売れる覚悟」を持ったタイミングは

「売れる覚悟」だけは昔から持っていました。昔といっても出版社を辞めると決めた時のことですけどね。茶化しているように聞こえるかもしれませんが、じつはとても大切なことなんです。

「ジャーナリスト」を名乗るなら、メジャーになる準備、より正確に言うなら、メジャーな場所で取材の成果を披露するためのマインドはあらかじめ持っていないと、いざ注目されはじめたら右往左往することになってしまう。

情報を発信する仕事をするうえで、自分は目立たずに記事だけを前面に出したい、というスタンスを貫くことは理解できるし悪いこととは言いません。ただ、そう考える人の割合が今は多すぎるかもしれないなと思います。

実際、僕が見ている限り、今現在ジャーナリストを志望している若い人や、今駆け出しとして書き始めた方たちの中に「この人は覚悟が決まっているな」と感じる人はそんなに見受けられないですね。

それと、僕の考えている「売れる」の定義は、皆さんとは少し違うかもしれません。僕の場合は、自分の知らない会社やメディア、異分野などから仕事のオファーが来ることが「売れる」ということだと思っています(ストレンジャー精神がありますから)。

テレビに出たり、タレントになってメディア露出が増えることではないのです。

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■「今」を伝えるジャーナリストだからこそ優先させるべきこと