陸上自衛隊富士総合火力演習2017 日本の防衛力を肌で感じてみた
静岡県御殿場市の東富士演習場で実施された富士総合火力演習(通称「そうかえん」)。陸上自衛隊でもっとも人気の高い一般公開演習をレポート!
2017/08/28 20:00
■後半は上陸侵攻してきた仮想敵国を撃退
前半から20分の休憩後、後半が始まる。仮想敵国が上陸し、陸地を占領、それを奪回するシナリオだ。アナウンスではリアルタイムに、敵国との戦闘状況の進行具合が伝えられる。
敵部隊の攻撃や地雷原処理など、移動の障害になるもの全てを破壊していく大規模な爆発。
火薬は実際の戦闘で使用される量の4分の1だが、迫力満点。光ってから音が遅れて聞こえるのは、雷や花火を思い出すが、会場自体が揺れるほどの衝撃は桁違いだ。
偵察用のオートバイ部隊も会場を駆け巡る。今回は魅せる演習であるため目立っているが、本来はもっと隠密行動に徹するそうだ。
次々と人員が輸送され、奪われたエリアの奪回に向けた総攻撃に備えて配置されていく。
敵部隊の場所を探り当てて、自身は常にヒットアンドアウェイ。攻撃をしては、場所を変えることを繰り返す。
高射部隊によるヘリを撃ち落とす演習の数々は、遠距離であるにも関わらず、大きな土埃が巻き上がり圧巻だ。
■フィナーレは戦車部隊の一斉射撃
最後は、総火演に相応しい戦車部隊の煙幕。爆音が轟き、鼓膜がビリビリと震える。
こうして演習のすべてが終了。立ち込める煙が使われた火薬量の多さを感じる。
観客には子供連れも多く、大きな音に興奮して「僕も戦車になる」と連呼したり「怖い」と泣き出す子もいた。
見る人によって感じるものは違うのだろう。しかし、ミリタリー知識に関係なく、人の心を掴むエンターテイメント性があるように感じた。
倍率が高いため、参加の難しいイベントだが、興味が少しでもあれば、例年6月頃から始まる抽選に応募してみるべきだろう。
・合わせて読みたい→被災地などを支援する自衛隊の食糧事情は? 元自衛官に聞いてみた
(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ)
・合わせて読みたい→コミケ名物の待機列、ソーシャルディスタンスとの相性が最悪だと判明