就職や転職時のネット書き込み 参考にする人の増加で企業も対応
就職や転職時にネットの書き込みを参考するか調査したところ、20代の3割が参考にしていることが判明
就職や転職に、インターネットは欠かせない存在となった。求人広告はもちろん、応募や説明会・面接のセッティングも、サイトを通じて行なう時代だ。
ただし、便利になる一方で、トラブルも増加。とくに会社について無記名で口コミを書き込むサイトは、「虚偽の投稿だ」と企業側からクレームがつくことも多い。
■企業も虚偽投稿を過誤しない時代に
22日には、高松地裁で転職サイトに関する裁判が開かれた。
虚偽の投稿をされたと主張する企業が、投稿者が使用していたとみられるプロバイダーに情報の開示を求めていた裁判で、請求を認める判決がでたのだ。
同企業は昨年10月、転職サイト運営会社にIPアドレスの開示を求める仮処分を東京地裁に申し立て。
請求が認められ、IPアドレスの開示を受け、投稿者のプロバイダーを特定。投稿者と話し合いを行うため、詳細情報の開示を求めた。なお、この投稿者は書き込みを受けた企業の従業員を名乗っているという。
「たかがネットの書き込み」と無視することもできたはず。しかし、これだけネットが普及した時代では、企業としても過誤できないようだ。
■20代の3割はネットの書き込みを参考に
企業がネットに過敏になっている背景には、それだけ重要視する人が増えている状況がある。
しらべぇ編集部が全国の20代~60代の男女1,342名を対象にした調査でも、20代の32.2%が「就職や転職の際にネットの書き込みを参考にしている」と回答しているのだ。
7割が気にしていないことを考えれば、そこまで気にかけなくても良いように思える。しかし、少子高齢化で若者を確保したい企業にとっては、やはり見過ごすことができないのだろう。
■転職経験者の意見は?
転職を5回経験したというSさんに話を聞いてみた。
「自分はいろいろと情報収集した上で応募します。今回問題になっている某転職口コミサイトや巨大掲示板などは、良くも悪くもリアルな声が聞こえてくるので、必ず見ますね。
すべてを信じるわけではないのですが、やはり経営陣の悪口や不満ばかりが並べられていると、敬遠したくなる。ただ、1人が書き込んでる可能性もあるので、一応面接には行くようにしていました。
個人の感じ方や見解だし、美辞麗句が並べられていた会社が酷い会社だったこともある。結局は、自分の感覚を信じたほうがいいと思います」
ネットの書き込みは、あくまでも「参考程度」がおすすめ、ということのようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年7月14日~2017年7月17日
対象:全国20代~60代の男女1.342名(有効回答数)
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