電車が「大幅遅延した時」は料金を割引すべき? 利用客の意見は…
稀に発生する、電車の「大幅遅延」。料金を割引すべきという提案に「賛成」「安全がおざなりになるから反対」とさまざまな意見が。
大都市では人口の多さに比例し、厳しい通勤・通学ラッシュが発生。とくに首都圏では毎日のように、電車のなかに人が「すし詰め」にされる。
そんなラッシュ時に遅延が発生すると、細かい網目のように組まれたダイヤが乱れることに。
そうなると「時間通りに通うためには、これに乗らねば」と人が殺到し、混雑によってさらに遅れは拡大。結果、大幅な遅延を招くことになる。
大幅遅延の影響は通勤・通学だけではない。楽しい旅行で電車が大きく遅れると、予定を変更しなければならなくなり、利用者にとっては、かなり迷惑だ。
■大幅遅延時に料金を割引してみてはという議論
そんな電車大幅遅延については、今年1月ある議員がSNSで「料金を割引するようなシステムを導入してみてはどうか」という提案を行い、賛否両論となった。
現状鉄道会社は遅延による損害について、「責任を負わない」という規定を設けているところがほとんど。特殊なケースを除き、遅れによる返金に応じておらず、料金の割引措置も行われていない。
割引については賛成意見も散見されたが、「安全への意識が希薄になる」との反対論も根強い。大幅に電車が遅延した場合の「割引」について、世間はどのように感じているのだろうか?
■割引すべきだと思う?
そこでしらべぇ編集部では全国の20代〜60代の1,336名に「電車大幅遅延時の割引措置」について調査を実施。
結果、「割引すべきだと思う」と答えた人はシニア層の男性が多く、60代男性の5割が割引を支持している。
ある程度生活に余裕がある人が多い世代であると思われるが、心のほうには余裕がなく、大幅遅延に対して厳しい考えを持っているようだ。
■それぞれの意見を聞いてみた
割引賛成派、反対派それぞれに意見を聞いてみた。
<賛成派>
「少しの遅れは仕方ないと諦めますが、1時間以上の場合はなんらかの補償があってもいいのではないかと…。Suicaなら、割引設定もやろうと思えばできそうな気もしますし。
関係者が遅延時、一生懸命働いているのは理解していますが、『大幅』に遅れているのに『申し訳ございません』で終わるのは、ちょっと納得がいかない」(50代・男性)
<反対派>
「もし大幅遅延で料金の割引を始めたら、現場が混乱するのではないでしょうか。それに、安全面を考慮して念のために列車を止めることもありますので、『大幅に遅れられない』となると、乗客の安全がおざなりになる可能性が高く、危険です。
割引してほしい気持ちは私もありますが、現実的に無理ですし、安全を優先するべきだと思います。遅れると思って行動すればいいことです」(30代・男性)
電車の大幅遅延時の料金割引論。あなたはどう考えるだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年4月21日~2017年4月24日
対象:全国20代~60代の男女1,336名(有効回答数)
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