政府は対策に乗り出すも…依存症患者の元家族が政策に警鐘

2017/03/15 08:30

(AID/a.collectionRF/Thinkstock)
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3日、厚生労働省がギャンブル・アルコールなどの依存症患者対策を強化する方針であることが一部報道機関によって報じられた。

各医療機関に支援経験のある相談員を配置するなどして、患者や家族へのケアを迅速に行うことのできる体制を構築していくという。


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■依存症になったことがある人は少ないが…

依存症は非常に重篤な病気である。ギャンブルの場合、稼いだ金をほぼ全てつぎ込んでしまうため、借金地獄に陥ってしまうことが多い。

アルコールについては、制御のきかない飲み方をすることで身体を壊し、死に至ることも。いずれも本人が「病気」であることを認めないことが多く、「否認の病」などといわれる。

ちなみに、しらべぇ編集部が全国20代〜60代の男女1,365名に行った調査で「依存症になったことがある」と答えた人はわずか1割。

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多くの人は依存性と無縁の生活を送っている。しかし、本当は重篤な依存症を抱えているにもかかわらず、「自覚がない」人も含まれている可能性も。

そんな依存症予備軍を重篤化する前に治療する体制を整えることは、決して無駄ではない。

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■アルコール依存症患者の家族に聞いてみた

依存症患者はどのような末路をたどるのか。元妻がアルコール依存症だったというSさんに話を聞いてみた。

「アルコール依存症患者の家族は、本当に大変です。いつでもどこでも手軽に酒が手に入るため、禁止しても隠れて飲むことができてしまう。『絶対に飲むなよ』と注意しても、酔っ払いながら酒を隠して『飲んでないよ』と嘘をつきます。元妻はさらに酒癖も悪く、暴れる日々でした。


本人は自分が病気ということを認めなかったのですが、私の我慢が限界で『病院に行かなければ別れる』と言って強制的につれていきました。まわりに専門の医師がいなかったので精神科に行ったのですが、正直病院で診てもらえば治ると思っていました。


ですが、告げられたのは『アルコール依存症はうちでは治せない』こと。それで入院も拒否されてしまって…。わらをもつかむ思いで専門病院に行ったのですが、そこでも『治す意思がないと治療はできない』と。当の本人は入院で不自由な生活を強いられるのが嫌なようで「拒否」。


そのうちこちらも頭にきて、突然なにも言わず別のマンションを契約して『夜逃げ』。長年一緒に暮らした妻を捨てるような形で離れるのはかなり辛かったです。ちなみに妻とは離婚し、連絡を一切とっていません。どうなっているのかもわかりません。


病院に相談員を配置することは一歩前進といえますが、家族からすると病院に行かせるまでが大変。例えば家に訪問してもらい、患者に病気を認めさせるようなシステムを作らないと、高い効果は得られないと思います」


様々な依存症の治癒は「治療の意思」が重要になるよう。本人に病気を認めさせ、治療を促す体制づくりも必要といえそうだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年12月19日~2016年12月19日
対象:全国20代~60代の男女1,365名(有効回答数)

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佐藤 俊治

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