意外な事実!旅客機の客室乗務員は「スタンガン」装備
2017/01/03 10:00
先日、新千歳空港で中国人観光客約100人が問題行動を起こした。
これは飛行機の欠航に抗議するものだったが、ほとんど暴動に近い騒ぎになったためテレビのニュース番組でも大きく取り上げられた。
北海道という世界でも有数の豪雪地帯において「雪による飛行機の欠航」は珍しくないのだが、そうしたことが理解されなかった節がある。
だが原因はどうあれ、このような「乗客による暴動」は各国でも問題になっている。
格安航空会社の登場で、海外旅行はより手軽なものになった。今や新幹線と同じ運賃で国境をまたぐことができる。だが同時に、「客のモラル」が問題視されるようにもなった。
それを受け、航空会社も大胆な対策を打ち出している。
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■大韓航空の決断
去年12月、アメリカのミュージシャンであるリチャード・マークス氏が大韓航空の機内で暴漢を取り押さえた事件があった。
マークス氏は泥酔した韓国人の男を、ロープで捕縛したという。その際、客室乗務員はトラブルに対してまったく行動できなかったことがマークス氏の証言から明らかになっている。
批判を受け、大韓航空は機内にもともと装備されていたスタンガンの「即時使用」を認める方針を打ち出した。
じつは大韓航空は、世界で初めて機内にスタンガンを導入した会社として知られているが、今までは「深刻な状況下でのみ」という使用規定のため、その威力を発揮できなかった。
それにしても、「客室乗務員がスタンガンを持っている」のは意外である。
■発射式スタンガンの最大手
調べてみると、大韓航空が採用しているスタンガンはテイザー社の『X26』だという。
テイザー社といえば、針発射式のスタンガン最大手。そうしたタイプの製品は、アメリカではそのまま「テイザー」と呼ばれている。「キャタピラー」と同じく、社名が普通名詞化しているのだ。
X26は拳銃型で、人間はおろか牛ですらも倒してしまうほどの威力。その様子はYouTubeで配信されている製品PRビデオでも確認することができる。
もちろんながらX26は非致死性で、対象者を直接傷つけることはない。こうしたことから、テイザーの製品は世界各国の警察機関で採用されている。
■スタンガンは普及するか?
今後、日本の空港職員もこのようなスタンガンを装備することになるかもしれない。
マークス氏は、暴漢に対してまったく太刀打ちできなかった大韓航空を批判した。だがそれは、日本人にとっても「対岸の火事」などではない。
スタンガンを使うことに対する倫理的判断はさておき、空港や機内での暴動は何が何でも鎮圧しなければならない。これは空の安全に関わることだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
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