「洗濯表示」が50年ぶりに新基準に じつはその舞台裏では…

洗濯表示
(Ekaterina79/iStock/Thinkstock)

こんにちは、スタイリストの久保田(フランソワ)です。

洋服には必ずついている洗濯表示ですが、ついに2016年12月から新しい絵表示に変わりました。JISの定める洗濯表示が変更になるのはなんと50年ぶりだそうで、戸惑う消費者の声も多数見受けられている様子。

(画像は経済産業省のスクリーンショット)
(画像は経済産業省のスクリーンショット)

そもそも告知活動自体それほど大がかりでもなかったので、どこまで一般に浸透しているのか現時点では疑問ですが、ともあれ変更になってしまったものは仕方ありません。

ぜひ早いうちに理解を深め、せっかくのおしゃれ着が傷んでしまわないよう気をつけていきたいものです。


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■なぜ変更になったのか? 理由その1

ひとつには洗濯機や洗剤、繊維や衣類の進化と多様化があります。なにせ50年も前の洗濯方法に基づく表示ですから、時代遅れになっても仕方ありません。

今じゃ洗濯機ひとつとってもドラム式やら乾燥機能付きやら、多数存在してますから。

また、繊維の進化や多様化も著しいため、旧来の表示ではケアしきれない新素材や加工が出てきたことも無視できません。

今まではデメリット表示とよばれる注意書きを日本語で付け加えることで対応してきましたが、正直そこまで細かい部分にしっかり目を通している消費者の方はそう多くはないですよね。

なるべく絵表示に組み込むことで、見落としを防ぐ効果が期待できるはずです。

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■なぜ変更になったのか? 理由その2

世界的にはISO(国際標準化機構)の定めた洗濯表示を使用している国が多く、これに日本もならうことで、輸出入時の混乱を避けることができます。

とりわけ日本ブランドの海外進出時や、海外バイヤーによる買い付けの際にも日本独自の洗濯表示法が取引の障害となることは避けられるはずです。


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■一般消費者に一番気になる点は?

表示自体はそれほど難しいものではないので、すぐに慣れると思います。ポイントは、今までの「推奨表示」から「上限表示」に変わったというところ。

意外と知られていませんが、絵表示が変わることよりもむしろこちらの方が大事だと思います。


・「推奨表示」…これくらいの取り扱いを目安にしてね(=表示より多少強めでも大丈夫)

・「上限表示」…これ以上強い取り扱いをするとヤバいよ(=表示より強いと衣類が傷むかも)


たとえば「低温アイロン」表示の服に対して、今までは「中温」でアイロンがけしてもまあ問題なかったところが、新表示では服にダメージを与えてしまう危険があるということになります。

これを知らずに今までの感覚で「大丈夫でしょ」と思って扱ってしまうと、大切なお洋服を傷めてしまうかもしれません。

絵表示のデザインよりもこの部分をもっと広く告知しておくべきだと思うのですが、一般にはまだまだあまり浸透していないようです。


じつは上限表示を設定するアパレルメーカー側の負担もかなり大きい今回のルール変更、ほとんどの人にとって初めての出来事ですし、まだしばらくは混乱や問題が起きることが予想されます。

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(文/久保田フランソワ

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Sirabee編集部

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