バカリズム脚本のゲス不倫ドラマ『黒い十人の女』 女優魂に賞賛の嵐
■ドラマの見どころは?
『黒い十人の女』は1961年に市川崑が監督を務めた映画のリメイク作。テレビプロデューサー風松吉をめぐる、妻と9名の女性との関係をコミカルに描いた「10股」ゲス不倫ドラマ。
フジテレビ『素敵な選taxi(タクシー)』で連続ドラマの脚本を務めたバカリズムが筆を執り、独自の世界観で名作を現代風にアレンジしている。
注目は、風松吉役の船越英一郎(56)、その妻役に若村麻由美(49)、不倫相手役に水野美紀(42)、成海璃子(24)、トリンドル玲奈(24)などドラマやバラエティで活躍する豪華な出演陣。
さらに、テロップの多用、イラストや「お姉さんと人形の掛け合い」での状況説明、海外ドラマ『ハウス・オブ・カード』でも使われていた「(物語の流れの中で)演者がカメラ目線で視聴者へ語り掛ける」など、独特の演出プランも目立つ。
普段バラエティ番組ばかりを見ている視聴者にも飽きさせない手腕を見せている。
■ぶつかり合う女優魂
その独自の脚本でとくに注目すべき点は女優陣の体当たり演技であろう。変顔や細かいせりふ回しは当たり前。女性同士がリアルな口調でののしりあうケンカシーンは特にこだわりが強い。
水野美紀が怒りに任せて相手に水をひっかける、よくある定番のシチュエーションも一味違う。水をかけられた成海は水野にカフェラテを顔にぶっかける。
回を増すごとに過激さを増し、第5回放送時にはあんかけ焼きそばを頭から浴びせられることに。
店内でのケンカ時バースデーケーキが運ばれてくるたびにケンカが終わるなど、同じシチュエーションを繰り返すのも本作の面白い特徴だ。
また、成海と佐野ひなこ(22)による肉弾戦には驚愕したファンも多いのではないだろうか。
成海と佐野は親友同士だったが、佐野もじつは愛人のひとりだと判明したあと、二人はプロレス顔負けのケンカを演じた。
■視聴者は大満足だが…
ふだんあまり見られない女優たちの演技に視聴者は大きな歓声を上げている。ツイッターでもドラマへの評価は非常に高い。しらべぇ取材班で感想を集めてみた。
https://twitter.com/blacklabel67/status/797421655769247744
https://twitter.com/akt05rir/status/796741253413015552
「黒い10人の女たち」が面白すぎてもう何もせず一生これ観てたい(^q^)
— めろんぜりー🍈婚活 (@meronjerry) November 10, 2016
https://twitter.com/nkms_10/status/794207085114245121
だが、関西地区では7.0%を記録したこともあるものの、関東地区の視聴率は初回3.1%以降前後を推移。23時台のドラマとはいえ低空飛行感は否めない。
しかし視聴者の満足度は高い、良質のドラマであることは間違いないのだろう。
ゲス不倫といえば「炎上」の代名詞だが、本作はいい意味で燃え上がってほしい作品だ。最終回へ向けますます過熱する『黒い十人の女』に目が離せそうもない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・サバマサシ)
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