不老不死は「人類の憧れ」?永遠の命を望む人の割合は…
2016/11/04 10:00
「不老不死」は、人類の永遠の憧れだろうか?
確かに、歴史を紐解いてみても不老不死の薬を追い求めた人物は存在する。あの始皇帝がそうだし、日本でも豊臣秀吉が「永遠に生き続けることのできる薬」を家臣に要求。彼らは政治的な事情もあるとはいえ、明らかに不老不死に憧れていた。
もちろん現在でも、命の永久化を望む人は存在する。
■20%弱の人が…
しらべぇ編集部では「不老不死の薬が売っていたら買いたいか?」という調査を実施した。ただし、この薬の値段は100万円という設定。時と状況にとって高くもなり安くもなる値段が、ちょうど100万円くらいだろうという判断である。
その結果、19.2%の人が不老不死の薬を欲しているようだ。
逆に言えば、8割程度の人は「いつか死を迎えたい」と考えているということ。考えてみれば不老不死は「世界の終わりを見なければならない」意味でもある。そう思えば、永遠の命は決してありがたいものではないと思えてくる。
■権力者が死にたがらなかった理由
話は戻るが、歴史上の権力者は不老不死の薬の発見に熱心だった側面がある。
なぜかと言えば、結局は「自分の死後の世界」に不安を感じていたからだ。
天下を統一した権力者にとって、次の課題は「ようやく確立した政権をどのように運営していくか」である。平たく言えば、自分が死んだあとの政治運営を誰にやらせるかだ。
これが非常に難しい。カリスマ性は遺伝的要素ではないし、そもそも鷹がトンビを生む例もよくある。それどころか、トンビすら誕生しなかったという場合も。豊臣秀吉などはまさにそれで、彼は子宝に恵まれなかった。
つまり、始皇帝にしろ秀吉にしろ「創設者死後の政権」のシュミレーションに行き詰まっていたのだ。
■不老不死は「苦肉の策」
だが、それとは逆に自ら築いた政権に絶対的な自信があれば、不老不死の薬はいらない。
徳川家康は薬草マニアで知られていたが、それでも「絶対に死なない薬」には関心すら持たなかった。それは要するに、家康がこの世の人でなくなったあとの江戸幕府が長く存続すると確信していたからだ。
すなわち、不老不死は斜陽を迎えた権力者にとって「苦肉の策」。不利になりつつある状況を裏技で逆転したいという、現実離れした発想である。
そういう視点から見ると、不老不死は「人類の夢」とも言い切れないようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の男女1,365名(有効回答数)
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