こんなのほしかった!「変形する計量スプーン」がすごい
2016/11/01 10:00
料理が好きな人の悩み、それは「道具が多くなる」こと。
たとえば、計量スプーンひとつを取っても容量ごとに何本もある。まるで刑務所の看守が持っているような鍵束みたいなものも売られているが、案外使い勝手が良くない。だいいち、計量スプーンは戸棚の中でもかさばる。
だが、そのような難儀は過去のものになるかもしれない。
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■折り紙の要領
「スプーンは3000年前からまったく進化していない!」
そのような謳い文句で、クラウドファンディングサイト『Kickstarter』に登場したのが『Polygons』である。
見た目はただの小さい板だ。だがこの板には折り目がついていて、それに合わせて各種容量のスプーンに形状変化できる。大さじ1杯分から同2杯分、2分の1杯分など、都合に合わせてスプーン自体の大きさを変えられるのだ。
要は、折り紙と同じである。ただの板を折ることにより、スプーンの容量を変えてしまおうという発想。「誰もが思いつきそうなのに今までなかった」という意味で、まさにこの製品は「コロンブスの卵」だ。
Polygons自体のサイズは2種類。テーブルスプーン(大さじ)とティースプーン(小さじ)だ。じつは日米の大さじ小さじの容量は、ほとんど変わらない。日本の大さじは15mlだが、アメリカのテーブルスプーンは2分の1米オンス、約14.8mlだ。基準度量が異なる国同士だが、幸いなことに調理用スプーンに関しては互換性がある。
Kickstarter内でもこの製品は販売されているが、当初あった大さじ小さじ1セット8ドル(約830円)の枠はすでに売り切れてしまった。現在は12ドルと日本への送料4ドルを足した16ドル(約1,700円)の販売枠が残っている。
■発明で生活を豊かに
クラウドファンディングは、日本人にとってはある種の「賭け」だ。
たとえば、新発明の乗り物はそもそも道交法違反になってしまう可能性が高いし、そうでなくとも乗り物は「使用中の故障」の可能性もある。これが販売店で購入した自転車なら保証がつくが、クラウドファンディングで買い求めたものに付与されるかは分からない。
だが、そうしたリスクを伴う製品でなくとも、世界のネットユーザーから多額の資金を受け取るケースもある。Polygonsはまさにその例だし、「何気ない日常を豊かにする」点から見ればPolygonsは非常に優秀な製品だ。
我々の生活は、このような発明品をきっかけにより豊かになっていく。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
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