静かすぎて?ハイブリッドカーに規制 車両接近通報音の発生、義務付けへ
2016/10/11 11:00
国土交通省は10月7日、ハイブリッドカーと電気自動車に「車両接近通報音」を発生させる装置(AVAS)の取り付けを義務付けると発表した。新型車は2018年から、継続生産車は2020年からの適用。
なお装置には、オン・オフ機能をつけてはいけないとする。
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■静かすぎて危ない?
低公害でNOx排出のほか騒音も抑えることができるハイブリッドカーや電気自動車などの次世代自動車。いずれも電気で走行中の騒音は小さく、タイヤが回転し道路を転がることで発生する「ロードノイズ」や、車体と空気の流れによって発生する「風切り音」がほとんどだ。
これらは速度に比例するため、低速走行時はほとんど走行音がない。住宅街などをゆっくり走るケースでは、歩行者が自動車の接近を認識しづらく問題視されてきた。
■「静けさ」の退化に疑問視も
これを受け、日産「リーフ」はAVASを標準で装備。トヨタ「プリウス」では、3代目からオプションで取り付けられるようにした。しかし「静けさ」を買うオーナーからは疑問の声が上がっていた模様だ。
https://youtu.be/VgMb_oofX0Y
そもそも排出ガスや騒音を抑えることで「低公害車」を実現しておきながら、わざわざ騒音を発生させるのはナンセンスではないだろうか。しかもプリウスの疑似近接音は、まるで「UFOの飛行音」。とうていクルマが発しているとは思えない電子音だ。
■改良警音器での解決は?
次世代自動車の先進性を生かしつつ、歩行者の安全を確保する手段として警音器(クラクション)を用いて自発的にドライバーが歩行者へ接近を呼び掛ける方法は考えられないだろうか。
ただし現状の警音器は、道路標識などで指定された警笛区間のほか、とくに危険を避ける場合に限って使用が許されているもの。「警告音」だけに耳に付く大音量だから、そのままでは使いにくい。 改良を加えれば、歩行者に自動車の存在を「やさしく知らせる」手段として使えそうなのだが。
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(文/しらべぇ編集部・上泉純)
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