外国人に『ワサビ大盛り』提供の市場ずしに同業者も苦言「最悪の職人」
大阪市にある『市場ずし』が、外国人観光客に対し大量のワサビを入れた寿司を提供していたことが問題になっている。
Googleのクチコミでは被害を受けた韓国人をはじめとした多くのネットユーザーから
「最低の店」
「日本人の民度は低い」
「差別主義者が働いている」
などのコメントが5日の時点でも多く付き、炎上が収まらない状態だ。
■差別的な意図はないにしてもサービス意識は低い
だが、市場ずしは本当に差別的な意味があってワサビを追加したのだろうか?
ホームページ上で「海外から来た客がワサビ追加を希望することが多かったのでサービスとして提供した」とコメントしており、一見差別の意図はないように思えるが…。
しかし、テレビ局が行った寿司店への取材でも「普通はこんなにワサビを入れない」と同業者が語っており、ワサビが好きな外国人相手でも問題のある可能性が否めない。
差別的な意図の有無にかかわらず、ワサビ好きな欧米人や中国人と、ワサビを苦手な人が多い韓国人をひとまとめにしてしまった「店側のサービス意識の低さ」から起きた問題のようだ。
■同業者の意見は?
この問題について「熊本ナンバーワン」との呼び声も高い高級寿司店『仙八』の主人に話を聞いてみた。
「僕は、このニュースをみて最悪の職人だと思いました。たしかに、マナーの悪い外国人の方は沢山います。しかし、その行動をさせているのは、職人の力不足によるものだと思います。
店の雰囲気造りは、作り手の僕らに主導権があると思っています。こんな行動をするぐらいなら、ワサビを大量に入れる人は入店をお断りすればいいのです。
僕だったら寿司屋の伝統、マナー、食べ方を伝えますね。僕らが外国に行ってレストランのマナーを分からないように、外国人のかたは、食べ方をわからないのですから。
こういったことで、若い人が食文化に興味なくなるんですよ。僕は、興味持たれるような職人さんでいたいです。一人一人、真剣に向き合って接客しないと自分の成長なんてないですよね(笑)
正直、外国人の方は僕らにとって一番難しいお客様です。でも、逆に楽しいですけどね。英語はまったく喋れませんけど。
今は便利な本なんて沢山あります。一貫、握るたびに本をだして指差してこの魚だって伝えてますけどね(笑」
確かに、外国人は日本の常識も分からないことから、意図せずマナーの悪い行為をしてしまうケースもあるようだ。
しかし、外国人だからと適当に見てワサビを大量に入れたりするのは、力不足の職人がすること。しっかりと日本の寿司はどういったものかを伝え、満足して帰ってもらうのがプロだろう。
ワサビが好きな外国人が多いことは事実だが全員ではなく、「ワサビ大量寿司」は日本の正しい寿司ではない。
こういったトラブルを防ぎ、日本の食文化を海外に伝えるためにも、寿司職人にはぜひともしっかりとした接客をしてほしい。
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