やっぱり日本が最高?定年後に「国外移住」を夢見る人の割合は…
2016/10/05 19:00
日本人が日本人である限り、終生日本で過ごすべきだろうか?
現代では、海外移住のハードルが低くなっている。昔は移住先の国へ行ったら、二度と日本へ帰れないという前提があった。
だが飛行機代が安価になり、日本と移住国との間を簡単に行き来することができるようになった。
海外移住は、一大決心を要するような選択肢ではなくなっている。
■「移住したい!」はわずか1割…
では実際に、海外移住を考えている人はどれほど存在するのだろうか?
しらべぇ編集部では、「定年後は国外に移住したいか?」という質問で調査を取った。
すると「はい」と答えた人は、わずかに9.4%。この数字は、世代別に分けても大きく変わることはない。つまり日本人の9割方は「日本で余生を過ごしたい」と考えているのだ。
■四季がなきゃダメ!
たとえば、「日本人に人気の留学先」を見てもその傾向が見て取れる。
日本人は常夏の熱帯地域よりも、四季のある土地を留学先として選びたがるという。「気候が祖国と似ている」という点は、日本人にとって重大な問題なのだ。
また「日本人は無宗教」とよく言われるが、日本とあまり馴染みのないイスラム教が優勢の国は敬遠されてしまうという。
ビジネスマンの間でも、マレーシアやインドネシアよりもミャンマーのほうが「希望赴任先」に選ばれやすいという話もある。
理由はミャンマーが仏教徒優勢の国だからだ。実態はともかく、「ミャンマー人は仏教徒だから日本人と価値観が近いだろう」というイメージが根強くある。
■2万円で往復可能
だが、新興国にとって先進国のリタイア層は「資金力のあるお客様」である。
マレーシアはリタイアメントビザの取得が容易な国として知られている。この国に移住する日本人は、「日本全体」という視点から見れば確かに少ない。
だが現地では、日本人リタイアメントがもたらすゴルフ需要を見込み関連施設が次々に建てられるほどだ。「日本人はゴルフ好き」ということは、もはや世界の共有知識になっている。
また、日本人の目から見ればこれは「現地に骨を埋める」ということではない。先述のように、現代では祖国と移住先との行き来が容易だ。
たとえば関西空港〜クアラルンプールまでの飛行機代は、エアアジアを使えば1万円程度で済む。東京から大阪まで新幹線で行くのと、大して変わらない。
近い将来、こうした「人の往来」はますます流動的になっていくだろう。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の男女1,365名(有効回答数)
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