収入がよければ少し我慢も…「社畜からの脱出」したい人たち
社畜という言葉が一般的に広まり、自虐的に自分のことを指して使う人も多くなっている。しかし本当に劣悪な環境に置かれたら、逃げ出したくなるものだ。
しらべぇ編集部では、まず全国20〜60代有職者の男女672名に「自分は社畜だと思う」かの調査を実施。意外なことに、自分を社畜だと思っている人は13.2%しかいない。
本当はホワイトな会社が多いのか? それとも人々が我慢強いのだろうか?
■社畜を脱出したくないと答えた人の言い分
さらに社畜だと答えた89名の人に、「社畜から脱出したい」かどうかの調査もおこなった。
6割もの人が、社畜から脱出したいと考えているのだ。それぞれに状況は違うが、悪い状況にいるのはたしかなので当然の結果だろう。
ただ4割の社畜を脱出したいと思っていない人が、どのような気持ちなのかも気になるところ。苦境に立たされても、なぜ脱出したいと思わないか。
40歳の男性は、不況の影響で大学卒業後に就職ができずフリーダーに。30歳にして初めて、現在の会社に正社員として入社した。
「正社員になることは絶対にないと思っていたので、バイト経験しかなかった私を雇ってくれているだけでありがたい。残業ばかりで休日出勤もあるが、ここを辞めるとまた元に戻ってしまうと思うので」
気持ちはわかるが、体を壊さないよう注意をして欲しいものだ。
■収入がよくても社畜と思う人もいる
個人年収別で見ると、興味深いことがわかる。
まず年収1,000万円以上でも、社畜の意識がある人がいることに驚く。たとえ収入がよくても、人は労働環境が悪ければ満足をしないのだ。
しかし年収300万円以下と比べて、年収1,000万円以上の人のほうが社畜を脱出したい人が圧倒的に少ない。これを見ると、「収入がいいから、なんとか我慢をしよう」と考える人もいるのだろう。
30代男性は、部署内の人間関係で悩まされている。
「部長は自己顕示欲の塊。部下を見下して自分の存在感を示したいんでしょうね。また女性の先輩は、人のミスを指摘するのが趣味の人。自分と関係がない仕事でも、ミスがないかチェックする。部署内の空気は、非常に悪いです」
後輩が入ってもこの環境に耐えられずに辞めてしまい、いつまで経っても一番下なのがつらいという。
我慢して追い詰められると、最悪の場合にはうつ病になることも。最終的には逃げる選択も頭に入れておいたほうが、少し気持ちが楽になるかもしれない。
・合わせて読みたい→社畜不可避…仕事を効率化したら仕事がさらに増えた人たち
(取材・文/しらべぇ編集部・ニャック)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年7月22日~2016年7月25日
対象:全国20代~60代社畜と思っている有職者の男女89名 (有効回答数)
・合わせて読みたい→社畜不可避…仕事を効率化したら仕事がさらに増えた人たち