衝動的にペットを購入する人に懸念…プロが指摘「飼う資格ない」
2016/08/15 08:00
ペットショップのショーケースに並ぶ、まだ生後3ヶ月程度の子犬・子猫。「赤ちゃんの時期がもっともかわいい」とよく言われるように、思わず心を奪われて衝動的に購入した経験がある人はどれほどいるのだろう。
「生き物を育てる」という覚悟がまだできていないで大きな決断をしたのであれば、のちのち問題が見えてくることもある。
■若年層ほど「かわいい」でペットを購入傾向
しらべぇ編集部が、全国20代〜60代のペットショップで犬・猫を購入したことがある男女452名を対象に調査をしたところ、全体で15.9%の人が「衝動的に購入した」と回答した。
年代別で見ると、平均値を押し上げているのは20・30代の若者層であることが明らかに。
編集部では、ペットショップで犬・猫を飼った若者に話を聞いてみた。
「私は、癒やしを求めて犬を買ってしまいました。ペットショップで一目惚れして、その瞬間に『この子と一緒に暮らしたい』と思ったんです。
今はチワワとかトイプードルがすごい人気で、値段もありえないくらいの価格。私が買ったトイプードルも40万はしましたね。高すぎる買い物なので周囲に反対されましたが、いくら高くても絶対に家族にしたいと思いました。
『この子以外は飼えない』ぐらいの気持ちが、ひと目見た瞬間に芽生えていたんですよね」(20代女性)
「私はひとり暮らしでなので、他の家族の許可を得ずに子猫をペットショップで購入しました。父や母がいたら反対したと思うのですが、誰にも注意されることもないですし。新しい家族が増えて、これからもっと楽しくなりそうです」(30代女性)
彼女たちは、ペットショップで気に入った子に運命を感じてしまったという。それは、新しい家族を迎え入れるぐらいの気持ちだったそう。
■ペット関係のプロが指摘「衝動でペットを買う人は資格がない人も多い」
こうしたペットの衝動買いに対して、ペット関係の職に就いている30代女性は複雑な思いを抱いていると、編集部の取材で語る。
「衝動買いが絶対に悪いとは言いませんが、本当によく考えたうえで決断してほしいです。
以前、『かわいくて欲しくなった』という理由で子犬を買った人に会う機会がありましたが、実際に家に来てみて想定外のことが次々に起こって参ってしまったと話していました。
子犬の時期は家の中でのイタズラが日常的にあるし、歯が痒くていろんなものを噛むんです。それを知らずに買ってしまい、家の中がメチャクチャになったと嘆いてました。あとは、無駄吠えが多くノイローゼ気味になった人もいましたね。
彼らは生き物を衝動的に買ってしまい『買うのを早まった』と後悔していたのですが、無責任すぎますよね。尊い命を扱うのですから、なぜ軽い気持ちで飼う決断をしたのか問いたいです。
『かわいいから欲しい』ではなく、飼い主としての責任をきちんと果たせるのかどうか。買う前にそうしたことを考えられないのであれば、生き物を飼う資格はないです。
ペットと共に生きる現実がどういうものか考えず、浅はかな人たちが、簡単にペットを捨てていくのではないでしょうか」
ペットブームの裏側で、多くの犬や猫が毎日のように殺処分されているつらい現実がある。そうした不幸な目にあう動物を減らしていくためにも、飼い主の資格が問われているのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・chan-rie)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年7月22日~2016年7月25日
対象:全国20代~60代の犬・猫をペットショップで購入した人452名(有効回答数)