「オリンピックを流せよ!」インドネシア人がテレビ局に激怒

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※画像はYouTubeのスクリーンショット

日本に「マスゴミ」という単語がある。この言葉の賛否はともかくとして、少なくとも一般市民のマスコミ不信が進んでいることは間違いない。

この現象は日本だけではないのだ。インターネットが普及するにつれ、今まで映像報道を一手に引き受けていたテレビ業界の「怠慢」が露呈。「なぜこんな大事なことをテレビは放映しないんだ!」という声が、世界中で相次いでいる。

ここではASEAN最大の経済規模を誇るインドネシアを例に取りたい。この国は今、国民のテレビ局不信が怒りの嵐になっている最中だ。


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■銀メダリストの試技を生観戦できず

リオオリンピックで先日行われた、女子ウェイトリフティング48kg級。「満身創痍」と言われた日本の三宅宏実が、見事な大逆転で銅メダルを獲得した。

その三宅と同じ表彰台に立った、インドネシアのスリ・ワヒュニ・アグスティアニ選手がいる。彼女は美しいフォームで完璧なリフティングを披露し、三宅の記録を抜いて銀メダルに輝いた。4年後の東京五輪では間違いなく台風の目となるであろう逸材だ。

インドネシアでは、オリンピックのメダリストといえば「国家を代表する英雄」。政府からは賞金と年金が約束され、帰国すれば市民からの熱狂的な大歓迎を受ける。アグスティアニも今や、全国民から絶賛を浴びるヒロインになった。

ところが、そのヒロインの活躍を生中継で観たインドネシア市民はごく少数派。

なぜならテレビ局が彼女の試技を放映しなかったのだ。

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■ドラマを放映していた!

リオ五輪と契約しているインドネシアのテレビ局は2つ。SCTVとIndosiarだ。インドネシア国内での五輪テレビ中継は、この2局が全責任を負う。

だが、SCTVもIndosiarも女子ウェイトリフティングでメダルを取れるとは思っていなかったようだ。中継は一切行われず、SCTVに至ってはアグスティアニの試技の時間にファンタジードラマを流していた。

この失態に、インドネシア市民は激怒。「ドラマなんか見てる暇ない!」「外国人のリツイートでアグスティアニの試合結果を初めて知った」「テレビ局オワタ」等々、ブーイングがネット上に飛び交った。

その結果、Twitterに「#RIPBroadcasterRio」というハッシュタグが立ってしまう事態に。もはや現地ブロードキャスター局の面目は丸つぶれだ。


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■世界有数の選手なのに…

その後、各放送メディアは他国中継の映像を拝借してアグスティアニの試技を放映。もっとも、それより先にネットユーザーが自力でアグスティアニの映像を探していたようで、そのあたりも批判と風刺の材料にされている状態だ。

アグスティアニは、クリーン&ジャークで100kg台後半をリフトできる世界でも数少ない選手。三宅と競り合うことは充分に予想できたはずだが、残念ながらインドネシアのテレビ局はウェイトリフティングという競技に疎かったようだ。

このように、市民のテレビに対する不満爆発は世界のあちこちで発生している。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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Sirabee編集部

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