関ヶ原の合戦ではどちらに加勢?大阪の半数以上が「西軍」
2016/08/10 05:30
戦国時代は、日本史上最も重要な時代区分だ。
今現在の日本が形作られ、より研ぎ澄まされたのはまさにこの時代。戦国なくば日本のアイデンティティーは存在しない。「和を以て貴しとなす」が通用しない非日本的な期間だったからこそ、日本史そのものに大きなインパクトを与えることができたのだ。
そして戦国時代の総決算ともいうべき出来事は、やはり関ヶ原の合戦である。
この合戦についての詳細はもはや説明不要だが、徳川家康率いる東軍と石田三成が前線指揮官を務める西軍が大激突した。そして全国の諸大名は、いずれかに味方することを強いられたのだ。
ここで、現代人に問うてみよう。もしあなたが戦国大名だったら、西軍と東軍のどちらに加勢するのか?
画像をもっと見る
■全国平均では東軍優勢だが…
此度の調査は全国1376名を対象に行った。質問内容は単刀直入「関ヶ原では東西どちらに味方する?」というもの。
結果、全体調査では東軍が65.1%、西軍が34.9%と出た。戦局がどう転んでも家康が勝つと信じられているのか、それとも「勝ち馬に乗る」という発想からなのか。
だが、上記のグラフだけでこのテーマを追求するには不完全。地域別の調査結果を求める必要があるからだ。
関ヶ原の合戦は、同時に東国武士VS西国武士の決戦という側面もある。従って、全体調査と地域別調査には温度差が出てくると考えたほうが自然だ。
■大阪では大逆転!
そこで今度は、近畿地方在住者に絞った調査結果を見てみよう。
ちょうど50%ずつである。まさにがっぷり四つの結果だ。西軍と東軍、それぞれが一歩も譲らず拮抗している。
次に、大阪府限定の調査を挙げてみたい。大阪といえばもちろん、豊臣秀吉のお膝元。この地では徳川家康は憎まれているというが、そうしたことが調査にも出ているのだろうか。
「西軍に味方する」と答えた大阪府民は、じつに56.4%。全国平均とは対象的な結果である。
やはり、この質問の答えは地域によって大きな違いがあるようだ。
■見直される西軍
現代に入り、西軍の再評価が進んでいる。
日本の時代劇は、一昔前までは講談調のものがほとんどだった。「講談調」というのは、善悪がはっきり分かれた構成の芝居。真田幸村という日本史上稀に見る大スターは例外としても、「力勝負で負けた側には何か落ち度がある」歴史観から日本人はなかなか脱却できなかった。だからこそ、石田三成の再評価が今まで遅れていたのだ。
だが、敗者である西軍もじつは緻密な計算をもとに行動していたことが明らかになってきた。三成や彼の親友の大谷吉継、島左近は戦国期有数の名参謀である。その当時最も優秀な頭脳をフル動員し、知略を持って徳川家康に挑んだのだ。
西軍は、決して弱くはなく愚かでもない。だが、家康はそれよりもさらに一段上の戦略を繰り出していた。
歴史というのは、複雑な駆け引きの連続が生み出すドラマなのだ。
・合わせて読みたい→【真田丸】大河で見る石田三成 「佞臣」から「悲劇の人」へ
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年7月22日~2016年7月25日
対象:全国20代~60代の男女1,376名(有効回答数)
・合わせて読みたい→【真田丸】大河で見る石田三成 「佞臣」から「悲劇の人」へ