子供の習い事に熱心な親 将来、子供に感謝されるのか
2016/07/17 18:00
以前のしらべぇ編集部の調査「子供のころの習い事を活かせてる?」では、高い年収の人ほど「子供のころの習い事が今に役立っている」とする回答が多く、習い事はけっして無駄ではないという結論になった。
また、別の調査「母親の子育て方法を否定する女性が多い」では「自分の母親のような子育てをしたいか」という質問に、「そう思う」と答えた女性はわずか26%。
今回は20~40代の子育て世代について習い事と年収の関係を深掘りし、母親の子育て方法への肯定感と年収との関係も探ってみたい。
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■「芸は身を助ける」は本当
その前に「子供のころの習い事」が今役立っているのは、どんな職業の人たちなのだろうか?
回答率がもっとも高かったのは公務員で、この職業を目指す人はルールや規律を重んじる習い事などとの相性がいいのかもしれない。子供の習い事や教育に熱心な親が、公務員への道を歩ませた可能性も。
注目は自由業だ。以前の調査「死にたい願望のある人」によると「自殺を考えたことがある」人の職業別の集計では自由業が40%でトップ。身ひとつで稼がなければならないだけに、壁に当たって思いつめてしまうことも多いのだろう。
今の世の中、リストラなどで自由業にならざるを得ないときもある。自由業で生きていく上では、子供時代の習い事が役立つことも少なくない。
■20~40代の子育て世代の年収に習い事はどう影響したのか?
黄緑色の棒グラフは、20~40代の世帯年収別の「習い事が今役立っている」と回答した率。年収1,000万円以上と未満では開きがないが、500万円未満と500万円以上で違いがあり、年収と習い事との関連性がみえる。
オレンジの棒グラフは、親の躾や門限が厳しかったことから「育ちがいい」と自慢したことのある人だ。この結果通り、年収の高い人ほど「育ちがいい」とすると、育った家庭環境と現在の収入の高低とは関係があるはず。
厳しい躾や門限と現在の収入の高さは比例し、そういう家庭ほど習い事にも熱心であったと推定できるのだ。
■そこまでしてくれた母親の子育て方法などへの評価は?
20~40代の女性に対して「自分の母親のような子育てをしたいか」と質問したところ、「そう思う」と答えた女性は世帯年収が一番少ない500万円未満で34.3%、年収がもっと大きい1,000万円以上でも36.1%とほとんど差がない。
年収の高い男性と結婚するには、それに見合った家庭環境や家柄が求められることも。親の躾や教育・習い事の成果も関係があると思うが、高収入世帯の女性でも子育てで母親を見習う割合は低い結果になった。
それでも20~40代はその上の世代よりは「母親のような子育てをしたい」とする回答が多く、年代が上がるほど自分の母親の子育て方法への賛同率が下がっていく。
昔の母親ほど口うるさく煙たい存在であったのだろうか。
・合わせて読みたい→無職は母のせい?「母親の子育て方法」を否定する女性が多い
(取材・文/しらべぇ編集部・谷葦夫)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年5月20日~2016年5月22日/2016年2月19日~2016年2月22日
対象:全国20代~60代の男女1,378名/全国20代~60代の男女1,348名(有効回答数)
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