曜日感覚は関係ない?自衛官が「金曜にカレーを食べる」理由
2016/07/04 06:30
「自衛隊が金曜日にカレーを食べるのは曜日感覚を保つため」という有名な言説がある。これ自体は間違いではないのだが、なぜ金曜日かということには、他の理由があるという。しらべぇ取材班は元自衛官である30代男性に話を聞いた。
■自衛隊では本当に金曜日にカレーを食べる?
「食べますよ。海自のカレーが有名ですが、陸自でも食べます。空自も食べるんじゃないでしょうか。もともとは曜日感覚を保つために始まった習慣だと聞いたことがあります。
しかし今でも食べているのはじつは他の理由があるんです。それはカレーだと後片付けが楽だから。厨房を預かっている給養員たちの仕事が早く終わるようにするため、土曜日の昼食はカレーにしたという経緯があります。
自衛隊の休みが土曜日丸一日になったことで、金曜日にカレーの日が移ったと聞きます」
■自衛隊のカレーっておいしい?
「はっきり言って家庭で作る味とは一味も二味も違います。海自の場合は艦ごとに違った隠し味が使われており、その秘伝のレシピは出版されています。ネットでも調べれば色んなレシピを見つけることができるでしょう。
その詳細なレシピは給養員たちしか知り得ないのですが、陸自のカレーには市販のコーヒー牛乳を使っているという話を聞いたことがあります。そうしたこだわりがあるのです。
また、その部隊の規模にもよりますが、カレーを作る際は180人分をひとつの鍋で調理します。カレーの特質上、一度に作る量が多ければ多いほど、おいしくなります。きっちりアク取りもします。
入隊する価値があるといえば、言い過ぎでしょうか。それほどまでに、おいしいです」
■自衛隊のカレーを食べることはできない?
「駐屯地のイベントなどがあれば、そこで試してみることはできるかもしれません。でも絶対とは言い切れないので、行く前にきちんと確認はしてほしいところです。
あとは毎年5月頃に開催されているよこすかカレーフェスティバルでしょうか。ここでは、海上自衛隊のカレーを楽しむことができます。大人気のイベントになっているので、参加したい場合は早めの会場入りをオススメします」
ぜひとも家庭のキッチンで味を再現したくなる自衛隊のカレー。しかし、そのためには量が必要とされるので物理的に限界がある。もし、食べる機会があったなら、見逃さないようにしよう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ)
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