豚の生レバー提供で逮捕 食あたりしても食べ続けたい人も
2016/06/20 07:00
16日、神奈川県横須賀市で居酒屋を経営する男性が、豚の生レバーを客に提供し、食品衛生法違反の容疑で逮捕されたことがわかった。
去年6月に厚生労働省が生のレバーの提供を禁止して以降、この容疑での逮捕は全国で初めて。全国の飲食店関係者に波紋が広がっている。
■禁止後も「裏メニュー」で提供され続けている実情
この店ではメニュー表に「裏メニュー 焼いて食べてください」と記載していたものの、コンロなどの器具は提供していなかったそうだ。
しかし、このような「見せかけの改善」は横行している模様。取材班が飲み歩き好きの女性Mさん(30代)に話を聞くと…
「正直、この横須賀の店みたいなところはいっぱいありますね。焼かない店もあるし、軽く火を通してあるけどほぼほぼ生だとか、お湯に軽くくぐらせただけとか。
私が知っているお店では、法律が変わってから食べログから口コミや星の数がなくなったところもあります。きっと、目立ち過ぎないようにして営業しているんですよ」
■食あたりしても食べ続けているものがある?
ちなみに、しらべぇ編集部では過去に調査を行ない、「食あたり(食中毒)を経験しても、食べ続けているものがある」人の割合がわかっている。およそ11人に1人だ。
もっとも高い数値を示したのは50代男性で13.0%。若者に比べ酒を愛する人が多いため、生のレバーや牡蠣、鳥わさなど、食あたりしやすいものにもそれだけ触れてきたのだろうか。
■該当者に話を聞いてみると…
食あたりは下痢・腹痛・発熱・嘔吐など、さまざまな症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもある。つらい思いをしたのに、なぜ食べ続けるのか。取材班は経験者の2人の男女に話を聞いた。
①Oさん(20代・男性)
「僕は月島のセルフ形式の某もんじゃ屋で牡蠣を食べた際に、加熱が弱かったみたいで2日後に発症。とにかく全身の筋肉痛がひどく、上も下もずっと出っぱなしの状態。あんなに苦しい経験は今までしたことありませんでした。
でも、未だに牡蠣は好きで食べてます。やっぱり美味しいんですよね。さすがに生とか自分での調理は避けてるけど、缶詰やフライなら平気かなって」
②Hさん(30代・女性)
「生卵が古かったみたいで、一度あたったことがあります。2日くらい苦しんで結局入院までしたけど、今後も食べ続けますね。なぜなら恐怖心よりも美味しさの喜びが上回るから。子供の頃からずっと食べてるし、もう変えられません」
美味しいものを食べたい気持ちはわかるが、やはり食中毒は危険。夏が本番になっていくこれからはとくに、食材の痛みや調理法に気をつけるべきだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・岡本拓)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年11月20日~2015年11月24日
対象:全国20代~60代の男女1371名(有効回答数)
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