被災のホンダ熊本が都市対抗出場 くまモンも東京ドームに
7日、KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で第87回都市対抗野球九州予選の第一代表決定戦が行なわれ、熊本県大津町のホンダ熊本が三菱重工長崎を6-2で下し、出場権を手にした。
試合は元巨人加治前など強力打線でならす三菱重工長崎が優勢との見方もあったが、地元玉名工業高校出身の右腕荒西が好投し、僅差の試合に。2-2で迎えた9回、ホンダ熊本が相手エラーなどをきっかけに4点を入れ、勝負を決めた。
■熊本地震後活動休止しボランティア
ホンダ熊本は地震が発生した際、翌日から開催予定だった大会に出場のため日立市に滞在。初戦に敗れた後、大会を辞退し急遽熊本に戻った。
大津町の被害は甚大なもので、工場はいまだに稼働できない状況。そのため鈴鹿工場へ出向している社員も多いという。野球部もしばらく活動休止を余儀なくされ、救援物資の仕分けなどボランティア活動に従事していた。
休部も噂されたが、会社や地域の理解もあり活動を再開。練習や実戦不足が指摘され、予選を勝ち抜くことは極めて難しい状況であると思われたが、地元ファンの支援や熱心な応援もあり、順調に勝ち進み、代表権を勝ち取った。
都市対抗野球の九州沖縄予選。九州地区の
第一代表はHonda熊本です!ホンダの熊本
工場は、熊本市近郊の大津町にあります。
バイク製造の工場です。地元の強い声援を
受け第一代表を勝ち取りました!チームの
活躍が熊本の復興に繋がりますように!#Honda熊本野球部 #都市対抗野球— さつま★52号 (@32ma52) June 7, 2016
■オール熊本で本大会へ
熊本県には地元スーパーマーケット「鮮ど市場」の社会人野球チーム、鮮ど市場ゴールデンラークスというチームあるが、こちらのほうは予選敗退が決定。両チーム揃っての出場は夢と消えた。
しかし、都市対抗野球大会には同じ地区で敗退したチームから3人を自身のチームの助っ人として招くことのできる補強選手制度が存在する。ホンダ熊本の岡野監督はラークスからの補強を示唆しており、「オール熊本」チームを結成する模様だ。
また、熊本の代名詞であるくまモンも応援に参加するのは確実で、総力を結集して戦うよう。暗い話題の多かった地元にとって、久しぶりの明るいニュースとなった。
ちなみに、くまモンはこれまでにもたびたび東京ドームに登場しており、球場をわかせている。
ホンダ熊本の応援は「全開Honda」などオリジナリティが高く人気なだけに、楽しみにしている人も多い。
ホンダ熊本都市対抗本戦出場ということは東京ドームにくまモン来る。
— ゴッドホース (@godhorse) June 7, 2016
■地元からは相次ぐ期待の声
しらべぇ取材班は、地元の野球ファンの男性(30代)に話を聞いてみた。
「ホンダ熊本は昨年不調で都市対抗出場を逃していたので、その意味でも第一代表になることができてホっとしています。社会人野球のことを不必要と考える人も多いですが、ボランティアに従事してくれた野球部を応援している町民は多いと思いますよ。
本大会は厳しい戦いになると思いますが、被災地とかそういうことはぬきにして、純粋に野球で勝負して勝利を勝ちとってほしいと思います」
都市対抗野球は7月15日から東京ドームで開催される。ホンダ熊本野球部の今後に注目だ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
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