秋じゃ暑すぎる!運動会シーズンが5月で定着しつつある模様
2016/05/21 11:00
小中学校の運動会。開催される時期が秋から初夏へシフトしつつある。
「澄み切った秋空のもと、絶好の運動会日和を迎え……」
運動会といえば、半袖では薄ら寒く感じる秋の早朝、おおむねこんな感じの校長式辞で始まっていたものだが。初夏の開催では「五月晴れの爽やかな空のもと……」といった感じの内容に変わっているに違いない。
東京都教育委員会によると、2015年は都内の小中学校のうち小学校の5割以上が、中学校の9割以上が、それぞれ運動会を1学期中に開催したそうだ。今年も同様の傾向にあるという。
1学期中の開催は、東京のみならず国内の多くの地域に広まっているようだ。
■初夏へシフトの理由は?
運動会の開催が秋から初夏へシフトしつつある理由は、主にふたつある。
ひとつ目は、「行事の集中を避けて分散化」したいということ。秋すなわち2学期は、運動会のほか学芸会や文化祭、音楽会、合唱コンクールといった校内行事がめじろ押しになる。
いずれも従来の感覚では秋の開催がふさわしい行事だが、練習などの準備に要する時間と手間を分散するためにも、ひとつくらいは「1学期へ持って行きたい」という学校側の事情が見え隠れする。
■熱中症リスクの軽減
ふたつ目は、気候の変化による9月の暑さ。炎天下の校庭で運動会の練習を重ねると、特に低学年の児童は熱中症に陥るリスクが高まる。数ある秋の行事から運動会だけが初夏へシフトする大きな理由だろう。
シフトによる分散化は、行事を見学・応援する保護者にとってもありがたいところだ。秋に集中しすぎては、仕事の休みなどを申し出る場合に「度重なると言い出しにくい……」といった遠慮が付きまとう。
児童や生徒にとっても、たびたび授業の中断があっては落ち着かない。中学・高校受験を控える子どもにとっては大切な時期でもある。
■歳時記では「秋」だけど……
アンケートサイト「マインドソナー」を用いての調査によると、「5月の運動会には違和感がある」という人の割合は約38%。3人に2人は秋の開催にこだわっていないことがわかる。 歳時記では秋の季語とされてきた運動会も、5月の開催がすっかり定着しつつあるようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
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