豊臣秀頼は「不倫の子」?実父と疑われる4人を検証
三谷幸喜の脚本によるNHK大河ドラマ『真田丸』が好調だ。地上波(日曜20時)とBS(日曜18時)の視聴率を合わせると2割を超えている。
歴史ドラマは史実とフィクションで織りなすものだが、今回の大河では竹内結子が演じる茶々(後の淀殿)が真田信繁(堺雅人)を気に入り、信繁が戸惑う姿が描かれている。
史実では、天下人・豊臣秀吉の側室となった茶々は2人の子を産む(夭折した鶴松と豊臣秀頼)。
しかし、10人以上の妻(宣教師ルイス・フロイスの記録によれば300人)を持ちながら実子を授かったのがほぼ茶々のみであるため、当時から秀頼が本当に秀吉の子であるのかが疑われていた。
三谷脚本がどう描くかは今後に期待だが、当時から現代まで、茶々の「不倫相手」=秀頼の父として疑われた4人の人物を検証してみよう。
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①石田三成
豊臣家「五奉行」の筆頭であり、関ヶ原の戦いでは実質的に西軍を率いて徳川家康に敗れた。茶々と同じく近江国(現在の滋賀県)生まれであることなどから、多くの創作物で「恋愛関係にあった」と描かれる。
大河ドラマでも、『独眼竜政宗』(1987年)や『秀吉』(1996年)などで妖しい関係を匂わせるシーンがあるが、同時代の資料には一切記録がない。
また、秀頼誕生の前年に三成が朝鮮半島に赴任していたことからも、実父である可能性は限りなく薄い。
②真田信繁
茶々と信繁が同時期に大阪城にいたのは事実だが、密通を伺わせる資料は残されていない。創作物(漫画『六文銭ロック』など)では、信繁と茶々が結ばれるストーリーも見られる。
なお、秀頼は大阪城落城の際に自刃したとされているが、信繁が秀頼を連れて鹿児島に落ち延びたという説が当時から流布していた。
③大野治長
茶々の乳母であり側近でもある大蔵卿局の嫡男。大坂の陣では豊臣家の中心的な存在となり、落城とともに自刃した。
ふたりは幼なじみであるとともに、江戸時代の資料『明良洪範』や『萩藩閥閲録』、朝鮮軍の捕虜として抑留されていた姜沆の記録でも不義密通について触れられている。
「犯人」である可能性がもっとも人物の高いひとり。
④名古屋山三郎
織田信長の縁戚であり、蒲生氏郷や森蘭丸の一族である森家に仕えた武将。妻と言われる出雲阿国とともに「歌舞伎の祖」とされる。
戦国時代きってのイケメンと言われて多くの浮名を流し、当時も「秀頼の父ではないか」という噂があったという。
真相は闇の中だが、今年の大河ではどのように描かれるのだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
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