エネルギーを他人に吸い取られる…医師「医学的にありえる」
2016/04/25 20:00
「あの人と接すると、エネルギーを吸い取られる気がする」
そんな感覚になったことはないだろうか。この感覚は「気のせい」とは限らず、医学的にもありえるようだ。しらべぇ取材班はその理由を探るため、46歳の男性医師に話を聞いてみることに。そこで、ふたつの要因が明らかとなった。
①他人の影響を受ける「アドレナリンの分泌」
エネルギーが吸い取られる感覚には、どうやらアドレナリンが関係しているらしい。
神経伝達物質であり、ホルモンでもあるアドレナリン。よくスポーツ選手が「アドレナリンが出ていた」と言うのを聞いたこともあるだろう。
Q.アドレナリンは、そのまま生命力にも反映するのでしょうか?
医師:少々、大げさかもしれませんが、わかりやすいかもしれませんね。アドレナリンの分泌量は、集団で平均化するとも言われます。
つまり、元々少ない人は多い人といると増え、逆に本来は多い人が少ない人といると減ると考えられます。「吸い取られた」と感じる人もいるかもしれませんね。
②感染しやすい「マイナスの感情」
医師:さらに、人間の感情は感染していく現象があります。これを、情動感染と言います。例としては、ひとりの赤ちゃんが泣きだすと、周りの赤ちゃんが泣きだす現象など。
人間の脳には、ミラーニューロンといって、他人を模倣する神経細胞があると言われています。進化した高等動物は、模倣や共感する能力が備わっているのです。
Q.たとえば、卑屈な人と一緒にいたら自分も暗くなってしまう?
医師:ミラーニューロンは、とくに負の感情が感染しやすいようですね。
エネルギーが吸い取られると感じる要因には、上記のようなふたつのことが考えられるようである。エネルギーを吸い取る人がいると思ったら、こういった可能性が大いにあるのかもしれない。
もし「この人と接すると疲れる」という感覚があるのであれば、その人と適度な距離を保つことが重要になってきそうだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・大空美南)
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