『丸亀製麺』がインドネシアで革命!人々を魅了した斬新さ

日本の飲食チェーン店にとって、インドネシアは「黄金のフロンティア」かもしれない。都市部は、とにかく経済成長と再開発が著しい。市民の購買力が上がるということは、その土地の「食」も豊かになるということだ。

しかも元来親日的なインドネシア市民は、新しい日系飲食店がオープンするや否や行列に並んででもその味を試そうとする。日本国内で閉塞感に陥っていた企業が、インドネシアに進出した途端に業績を伸ばしたという例もあるほどだ。

そんなインドネシアの首都ジャカルタで、大変な人気を呼んでいる日本食がある。それは「うどん」だ。

丸亀製麺


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■うどんがもたらした「味覚の革命」

『丸亀製麺』はハワイに出店するなど海外進出に熱心で知られているが、東南アジアでも店舗を拡大しているのだ。

丸亀製麺

ジャカルタ市内の『丸亀製麺』は、平日も大忙し。昼休みの時間になると、近くのオフィスに務める会社員が続々と足を運ぶ。目当てはもちろん、うどんだ。

そもそもインドネシアには、うどんのようなコシの強い麺はなかった。そのため、「麺類に食感を求める」という発想自体も、『丸亀製麺』がこの地に進出するまで存在しなかったのだ。

その上、うどんには余計な油気がない。ジャカルタの人々、とくに中流以上の自覚的な市民は、自国の料理がやたらとオイリーであることに半ば飽き飽きしている。「あっさりしていて美味しい」という感覚が、彼らにとっては斬新なのである。

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■「国際化」されたうどん

『丸亀製麺』の現地店舗(インドネシアでは『Marugame Udon』という店名だが)は、日本と同じく厨房が可視化されている構造。店員の誰しもが、一生懸命うどんを作っているが、彼らのほとんどが20代とおぼしき若者だ。

丸亀製麺

インドネシアは、国民平均年齢がまだ30歳にも達していない国。この国のエネルギッシュな面が、『丸亀製麺』の厨房からも観察できる。

だが同時に、インドネシアは国民の9割がイスラム教徒だという事実も忘れてはいけない。客層を華人だけに絞って大成功した豚骨ラーメン店の例もあるが、『丸亀製麺』の場合は原料に豚とアルコールを一切使用していないのだ。

丸亀製麺

その甲斐あり、去年11月には現地のイスラム評議会からハラル認証を取得。この瞬間、丸亀製麺のうどんは「国際化」されたのだ。

その先に待つのは、世界16億人のイスラム市場である。

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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Sirabee編集部

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