「吉野家」がインドネシアでも大人気!現地セレブが熱狂?
2016/01/26 18:00
日本を代表するファーストフードチェーン「吉野家」。じつは、海外にも着実に展開しているのをご存知だろうか。
しかし、インドネシアにある店舗は、日本とは構造も客層も大きく違う。
日本の「吉野家」といえば、作業着を着た肉体労働者の男性、サラリーマンなどが仕事中や仕事帰りにサクッとリーズナブルに食事を済ませられ、働く人の強い味方というイメージもあるだろう。
一方、地域によっては「家族連れで行くところではない」という先入観を持たれてしまっている部分もある。ところがインドネシアの吉野家は、「豊かな暮らしぶりの家族が行くレストラン」なのだ。
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■富裕層のための店
ジャカルタにある吉野家の店舗は、いずれもショッピングモールの中にある。それもグランド・インドネシアやスナヤン・シティといった、アッパークラスを対象にしたショッピングモール。
この国のアッパークラスは、日本の中途半端な金持ちよりも遥かに豊かだ。駐車場を見れば、イタリア製のスポーツカーやアメリカ製のリッターマシンが当然のように並んでいる。インドネシアの通貨はルピアだが、アッパークラスの人々は米ドルで収入を得ているのだ。
土日になると、メイドを連れた家族客がショッピングモールに押し寄せる。彼らは欲しいものに対して、金に糸目をつけない。イタリア製の皮革製品やフランス製の化粧品、そして日本製の家電製品ですらも「衝動買い」してしまうのだ。
一通りの買い物が終わると、やはり腹が減る。グランド・インドネシアの場合は3A階にレストランコーナーがあるので、「今日はどこで食べようか?」と家族で相談を始める。
そこへ、彼らの目にオレンジ色の看板と白抜きの「YOSHINOYA」という文字が飛び込んでくるのだ。
そうだ、今日のランチは吉野家にしよう。のんびり牛丼でも食べながら、買い物の成果を改めて確認しよう。
店内に作業着姿の男はひとりとしていない。ここは「アッパークラスの拠り所」だ。
■インドネシアビジネスの成功例
インドネシアの店舗で出される牛丼は、日本のそれとまったく一緒である。 面白いことに、どんぶりのデザインも同じだ。我々日本人に馴染みのある、あのデザインである。
だが店の構造は、カウンター席が一切ない。要はファミリーレストランと同じ作りだ。店内は広々としたテーブル席で構成されている。
インドネシア人は、どんなことでも必ず家族か友人と一緒に行動を起こす。休日にひとりでショッピングをする、長期休暇中にひとり旅をするということはまずしない。もしそれをすれば、「どうして独りぼっちなの?」と周囲から心配されてしまうくらいだ。 まさにカルチャーギャップである。
だが吉野家は。そのギャップを把握していたからこそ、現地での事業拡大に成功した。インドネシアの吉野家は、参考にすべきビジネスモデルとして大いに注目されている。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
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