【選考を疑似体験】ニュージーランドの国旗が変わるかも
2016/01/10 09:00
オリンピックエンブレムの選考の不透明さが物議を醸した2015年。これを受けて、選考過程の最初の1時間を動画サイトで公開するなど、透明な形での選考が再開された。
一方国外にも、2015年から2016年にかけて国家プロジェクトとして、新国旗デザインを現在進行形で選考している国がある。ニュージーランドだ。
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■新国旗選定プロジェクトは公募制「こんなのアリ?」な国旗も
ジョン・キー首相は2014年3月、新国旗デザインを公募することを発表。集まった新国旗デザインは10,292件にものぼった。募集当初は、エントリーされた全デザインを見ることができ、その選考の透明性が窺える。
しかし公募制ゆえに、落選したものの中には「こんなのアリ?」な国旗が多々含まれており、世間からの注目が集まった。
かろうじて鳥だと認識できるデザインは、ニュージーランドの国鳥「キウイ」を模したもの。しかし、外国人から見たらただの太っている鳥にしか見えないという理由で全て不採用となった。
■一次選考:10929案→40案
そして10,292案の中から40案が一次選考を通過。以下がその国旗のリストだ。みなさんの目をひくものはあるだろうか。
草のような模様は、ニュージーランドを代表するシダの葉を模したもの。世界最強といわれる同国のラグビー代表チーム「オールブラックス」のロゴにもなっている。
また、島国ゆえに波をかたどった国旗も多くみられる選考結果となった。
■二次選考:40案→5案
さらに上記の案から5案が選ばれた。みなさんならどの国旗を選ぶだろうか。実際に選ばれた新国旗デザインは、これだ。
5つ中3つにシダの葉を模したデザインが入る結果となった。みなさんが選んだ国旗は、入っていただろうか。
■最終選考:5案→1案
そして去る2015年12月11日、5つのデザイン案から最終候補がひとつ選定された。それが、これ。
画像左が最終的な新国旗デザイン候補。来る2016年3月に、現行の国旗と最後の国民投票にかけられ、どちらか一方が新国旗デザインとして決定する。
■そもそもなぜ国旗を変更するのか
国旗変更の理由として、植民地時代の名残であるユニオンジャックが入っていることや、隣国のオーストラリアの国旗に酷似していることなどが挙げられている。
しかし一方で、「金のムダ遣い」といった声や、「現行の国旗のために命を落とした軍人のためにも変えるべきではない」との声もあがっている。
どちらの国旗になるにせよ、この国家プロジェクトの選考過程から日本が学べることは多いだろう。結果は今年3月に発表される。
(文/しらべぇ編集部・阮)
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