危険性が浸透してない?運動会の「組体操」を不安視する割合は…
画像はYou tubeのスクリーンショット
全国的に好天に恵まれたこの週末も、運動会が開催される学校は多いだろう。しかしその中で、とある競技が問題となっていることをご存知だろうか。
大阪府にある中学校の運動会で、組体操の巨大ピラミッドが完成間近で崩壊。10段で100名以上の生徒が崩れた重みによって、1年生の男子生徒(12)が右腕を骨折したことが大きく報道された。
組体操では、これまでも生徒が重大な後遺症を追ったケースが数多くあり、教師も負傷するなどリスクを問題視する声があった。
名古屋大学の内田良 准教授はたびたび警鐘を鳴らしてきたが、不幸にもそれが的中してしまった形だ。
10段の組体操 崩壊の瞬間と衝撃――2人の生徒 教師に抱えられて退場▽組体操リスク(13)
そこでしらべぇ編集部では、「危険性が指摘される運動会の組体操は、他の競技に差し替えるべき」かどうかについて、全国1400名に調査を実施した。
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■組体操「中止派」は4割弱
結論から言うと、組体操の危険性はまだまだ世の中には浸透していない。「他の競技に差し替えるべき」と答えた人は4割に満たなかった。
一部の保護者が組体操の中止を 学校に申し入れた場合も、「ほとんどの生徒が頑張っている」「父兄や地域社会のみなさんが期待している」といった反論があるという。それが、データからも明らかとなった。
■5、60代女性には危機感も
男女別・年代別で見ても、過半数を超えた世代は見られなかった。ただし、全般的に男性の関心が低いのに対して、女性は不安感を覚える人がやや多い。また、5、60代女性は5割に近くなっている。
不幸にも、今回報道されているよりさらに大きな事故が起こったとしたら、教育行政や世の中は動くのだろうか。危険性を適切に伝えるメディアの責任も少なくないだろう。
関係者のささやかな達成感のために生徒たちが犠牲とならないことを祈りたい。
(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年9月25日~2015年9月28日
対象:全国20代~60代男女1400名
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