【新ジャンル】首都圏で食べられる「鰤(ぶり)ラーメン」とは?
2015/07/10 11:00
©iStock.com/eye-blink
こんにちは。かつお節生産量日本一の鹿児島県枕崎市で、かつお節屋を営んでおります「出汁男」こと中原晋司です。
鹿児島は、かつおだけでなく、牛・豚・鶏など畜産物の生産も全国トップクラスで、豚骨・鶏ガラなどの出汁素材も新鮮で豊富。
とくに、お祝いごとには鶏が用いられるなど、鶏出汁は鹿児島にとって大事なもの。また、味覚的にも鶏出汁は基本あっさりとしていながら、コクも兼ね備えている特徴があり、マルチな活躍を見せています。
たとえば、鹿児島では豚骨ラーメンの豚骨出汁には鶏出汁がブレンドされ、あっさり食べやすいスープに。一方で蕎麦では、主役の出汁としても使用され、味に深みを提供。
というわけで、鹿児島が得意な「鶏出汁ブレンド」を巧みに使用し、鹿児島県産の食材「鰤(ぶり)」を使った首都圏のラーメン屋さんを紹介します。
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■鶏出汁ブレンド×鰤(ぶり)のラーメンとは?
埼玉県志木市、東武東上線の志木駅から徒歩3分位の所に、「めんや 正明」。
静かな住宅地の中に、ひっそりとたたずむ割烹料理屋のような店構え。ラーメンの写真がなければ、ラーメン屋とは気づきにくいかもしれません。
開店直後の午前11時半くらいでも、カウンターのみの店内はお客さんで一杯。すでに順番待ちの方も。
こちらの看板メニューは、鹿児島県産の脂の乗った鰤の切り身を使用した「鰤ラーメン 塩」。
鰤の表面はバーナーで丁寧に炙られ、主役のトッピングとして丼の真ん中にどっしりと構えています。臭みはなく、スープの中に鰤の旨味が溶け出し、コクたっぷり。
特筆すべきは鶏出汁の絶妙さ。鶏自体のコクもありながら、鰤が主役の存在感を出せるように、自らの存在感をあまり表には出していません。
細麺やトッピングである白菜・メンマなどに絡みつくと、鶏独特の香りとコクをしっかり表現しているという、したたかさも見えます。
鶏出汁は丼全体のチームワークを活かすために、サッカーで言えばボランチ、野球で言えばキャッチャーのようなポジションのような役割に。
マルチに活躍することができれば、飽きられることなく、最後の一滴まで飲み干される可能性が高くなるものです。
鶏出汁はラーメンにおいて、魚介出汁・豚骨出汁・醤油・味噌など調味料の陰に隠れることも多いのですが、このラーメンは鰤と絶妙なコンビネーションを見せています。
鶏出汁の密かな活躍に思いを馳せながら、ラーメンを楽しむのも面白いかも。
【めんや 正明】
埼玉県志木市本町5-23-28 本町カトレア1F
11:30~14:30 18:00~売切次第終了
定休日:水曜
(文/しらべぇ編集部・中原晋司)
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