「木質バイオマス」って何?9割が「よく知らない」ものの重油以上の可能性も?
2015/04/28 18:00
画像:Wikipedia
「木質バイオマス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
しらべぇ編集部がアンケートサイト「マインドソナー」で調査したところ、木質バイオマスを聞いたことがある人は26.3%。さらに、「特徴を知っている」という人は、その約半分の12.7%で、まだ十分認知されているとは言えないようです。
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■そもそも木質バイオマスとは?
バイオマスエネルギーというのは、自然から生まれるエネルギーのこと。たとえば、トウモロコシやさとうきびから作られるバイオエタノールなどが、燃料として利用されています。
しかし、日本ではトウモロコシなどの栽培は盛んではないため、あまり積極的に取り入れられてきませんでした。
木質バイオマスエネルギーは、その名の通り木材を使ったエネルギー。間伐材や未利用材をチップやペレットに加工して、エネルギーとして利用します。
国土の約3分の2が森林である日本では今、期待が集まっているのです。
ここからは、◯×クイズ形式で木質バイオマスエネルギーについてご紹介しましょう。
Q.木質バイオマスエネルギーは他国でも本格的に導入されていない?
答えは×
ドイツでは、固定価格買取制度によって本格的に導入が進んでいます。日本で木質バイオマスが注目を集めるようになったのも、固定価格買取制度の対象となり、採算が見合うようになったという理由があります。
Q.エネルギーあたりの単価は木質バイオマスより重油の方が安い?
こちらも答えは×
真庭観光連盟が発行している『バイオマスツアー真庭見学先紹介』によると、同じ発熱量に対して重油は6.5円/Mcal。一方、木質バイオマスのエネルギー源となるチップは3.9円/Mcalとなっています。
また二酸化炭素の排出量も、化石燃料に対して木質バイオマスの方が排出量が少ないとのこと。
Q.木質バイオマスを積極的に取り入れている市がある?
答えは〇。
岡山県真庭市は、森林面積が約79%で林業や関連する産業が発達。そのため、林業で出る不要な間伐材や未利用材を利用した木質バイオマスエネルギーと、その利用によるまちづくりや地域雇用の創出が行われています。
その取り組みが日本でも注目を集めており、全国各地から真庭市のバイオマスツアーに参加する企業や一般の人々が毎年います。2014年4月から2015年3月までの1年間に2917人が市を訪れました。
とはいえ、全国的な木質バイオマスの本格的な利用は、まだ進んでいません。それは、エネルギーの利用のために必要なボイラーなど設備費用がまだまだ高く、市や政府の補助金が必要なため。
しかし、環境に優しく発熱量あたりのコストも低く、地域の雇用を生む木質バイオマスにはこれからの普及に期待したいところです。
(文/しらべぇ編集部・髙橋夏帆)