【イヤホンしてる客こそ声をかけやすい!?】アパレル販売員が持つ最重要の心得とは?
2015/04/20 19:00
©iStock.com/andresrimaging
アパレルショップに行った際に“お客様”が抱く「店員さんのこんなことがムカつく」「こんなことをする店員さんがイヤだ」という不満の声はよく聞かれますよね。しかし、逆の立場、つまり店員さんたちの考えていることはあまり耳に入ってきません。
今回は、都内のショップで働く20代・30代のアパレル販売員さんたちに、「接客」における心得を聞いてみました。
■もし「似合ってない」と感じた時は…
お客さんが試着した姿を見て「似合ってないかも…」と感じた場合、店員さんはどのような対応をするのでしょうか? みなさん共通して話していたのは、「似合わないとは言わない」ということです。
「『お客様はこんなテイストのお洋服が好きなんですね。それでしたら、こちらもオススメですよ』と提案します」(20代・女性)
「ぼくらは基本的に『お客様に似合う洋服を探すお手伝いがしたい』という思いがあるので、ご相談して下さればお客様が納得されるまでいろいろご提案します」(30代・男性)
なお、店員さんたちは、一度来店し言葉を交わしたお客さんなら、長く期間があかない限り顔を覚えているそう。
毎回買わなくても、何度も足を運べば自然と顔見知りになり、「こっちのほうが似合いますよ!」などと“あけすけに”買い物を手伝うこともあるようです。
■イヤフォン付けてるお客さんこそ、声をかけやすい!?
©iStock.com/Oinegue
店員さんたちの悩みの種が、「イヤフォンを付けたまま来店するお客様」。コミュニケーションをとりにくい、単純にあまり歓迎しない、といった声が聞かれましたが、人気ショップに長年勤めるAさん(27歳、女性)は、
「むしろイヤフォンを付けているお客様のほうが声をかけやすい。積極的にお声掛けしますよ!」
と話します。
「まず、イヤフォンを付けたままご来店されるお客様の視界にズズイと入っていって、商品の説明をします。
そうするとお客様がイヤフォンを外されるので、『ごめんなさい、音楽聞いてたんですね!どんな音楽聞いてたんですか?』と、商品のことから一旦離れてお客様との会話を楽しみます。
そうすることでお客様の心も開きやすくなるから、より居心地の良い雰囲気が作られるんです」
Aさんは、「お客様と自分の接点や共通点を見つけ、居心地良く過ごしてもらう時間を作る」ことをいちばんの目的にしているそう。「暇だし、あの店員さんと話でもしにお店行こうかな」と足を運んでくれるようになれば、自然と売り上げ向上につながると分析していました。
■お客さんが心地よくお買い物するための「3大アプローチ」とは?
また、30代の男性販売員Bさんは、「気をつけているのはお客様へのファーストアプローチです。最初のお声掛けで全てが決まると言ってもいいくらいですね」と話します。「特に、人・物・日常へのアプローチの3つは重要視してます」とのことですが、どういうことでしょう?
「人へのアプローチは、『水着焼けしてますね、どちらの海に行ったんですか?』など、お客様自身に関わる話題をあげて話を展開させること。
物へのアプローチは、『その時計カッコイイですね!どこで買ったんですか?』など、お客様が持っている物、あるいはお客様が目に留めたお店の商品に関連して話題を作ること。
そして日常へのアプローチには、『今日すごい雨ですね、まだ降ってました?』といった例が挙げられます」
こうした最初のアプローチひとつでお客様の心が開き、商品の購入につながる会話が展開しやすいのだそうです。
「アパレルは服を売るだけの仕事ではなく、お客様とどれだけ信頼関係が構築できるかということも大切です」という声も聞かれましたが、接客においてはみなさん共通して、“居心地の良い雰囲気を作る”ことを心得としているようですね。
(文/しらべぇ編集部・矢野恵美)
・合わせて読みたい→シャッター商店街を復活させた若者たち!根底にある概念「シビックプライド」とは?