【法律コラム】悩む人が増えている「キラキラネーム」の変更方法とは?
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少し前に、いわゆる「『キラキラネーム』の本名を隠して別の名前で仕事をしてもいいのか、それは“偽名”なのではないのか」とツイッターなどで議論になっていましたね。
今までのキラキラネームについての議論は、「赤ちゃんにそんな名前を付けるなんて!」という、親への批判が多かったようですが、最近は、その赤ちゃんが成長し、自分の名前について考える時代になったのだと思います。
ここで、本名を隠すことについて、「いっそのこと、本名を変えてしまえばよかったのでは?」「それなら偽名などと言われずに済んだのでは?」という疑問を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、当事務所でも最近ご相談が多い、氏名(「名前」と「名字」)の変更をテーマにしたいと思います。
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Q.自分の氏名(「名前」もしくは「名字」」)を変えたいと思ったことはある?
なるほど、意外に多いですね・・・。
筆者の名字は「日本一多い名字」である「佐藤」なので、一時期、ちょっと変えたいと思ったこともあります(苦笑)。
さて、名前を変更するにはどうしたら良いのでしょうか?
■名前(名)の変更について
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下の名前(法的には「名」と言います)を変更するには、家庭裁判所に対して「名の変更許可」の申立てをしなければなりません。
そして、名を変更する「正当な事由」があることを認めてもらい、家庭裁判所に許可をもらってから、住所地の役場に届け出たら、変更ができます。
■変更に必要な「正当な事由(理由)」とは?
法律には「正当な事由」と書かれていますが、これだけではよく分かりませんね。では、「正当な事由」とは何でしょうか?
過去の裁判例をみると、次のような事実があるかが、一つの判断基準になっているようですね。
① 営業上の理由から襲名する必要のあること。
② 同姓同名の者があって社会生活上甚だしく支障のあること。
③ 神官若しくは僧侶となり、又は神官若しくは僧侶をやめるために改名する必要のあること。
④ 珍奇な名又は甚だしく難解、難読の文字を用いた名等で社会生活上甚だしく支障のあること。
その他にも、例えば「性同一性障害だから」という理由も「正当な事由」になり得ると思います。
ちなみに「名前の字画占い」で運勢が良くなかったからという理由だけで、「正当な事由」にはならないため、名前の変更はできませんので要注意。
■キラキラネームは変更できるのか?
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キラキラネームの一例として、「西洋人的な名前」などに漢字を当てた結果、無理が生じているものがありますね(汗)。筆者は、そういった名前が良いかどうかはわかりませんが、そういった名前は「難読な名」と認められやすいと思います。
また、そういった名前は、「誤読されやすい」ため、「社会生活上甚だしく支障がある」と認められやすいといえます。
■一方、名字(氏)はどうなのか?
名字(法的には「氏」)の変更は、「結婚して名字が変わった」というのはよく聞く話ですから、下の名前よりも簡単に変更できるような気がしますね。
でも、実は、結婚や離婚などではなく、「この名字を名乗りたくない」という理由での名字(氏)の変更は、実は名前(名)の変更よりも難しいのです。
法律上では、「やむを得ない事由」が条件となっているのです。
■「やむを得ない事由(理由)」とは?
「やむを得ない事由」は、名の変更の「正当な事由」と似ていますが、「正当な事由」よりもハードルが高くなっています。
その理由は、現行の戸籍法が、「名字(氏)を単位」として同じ氏の家族を「一つの戸籍」にまとめているため、氏が変わると家族の同一性の識別が困難になるからと考えられているからです。そのため、名字の変更はなかなか難しいといえますね。
■終わりに
「氏名」って、とても大切ですよね。筆者はただの識別記号ではないと考えています。
氏名の変更がうまく使われて、ここにいる誰もが自分の氏名を大切に想い、自分のことも大切に想える、そんな風になったら良いですよね。
(文/弁護士・佐藤大和)
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