劇場公開しないからって…ゆるすぎる!ビデオスルー作品の邦題の世界【8例】
2015/03/20 06:00
「ビデオスルー(DVDスルー)」という言葉をご存知だろうか? これは、特に外国で製作された映画が日本の映画館で劇場公開されることなく、直接DVDなどの形でパッケージ販売・レンタルされることを意味する。
日本の販売元の会社は、劇場公開される映画と同様に日本人向けの邦題を付けるが、ビデオスルー作品の場合、劇場作品と比べると明らかに“ゆるい”邦題が付けられがちなのだ。今回は、8つの作品を例に、“ゆるすぎるビデオスルー作品の邦題の世界”を紹介しよう。
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■「女性誌の表紙コピーで見たことある!?」系タイトル
●『小悪魔はなぜモテる?!』(米、2010年、原題:Easy A)
“小悪魔系”や“小悪魔系女子”ではなく、小悪魔だ。つまり、あくまで悪魔。悪魔がモテるという前提に立ってしまっているところに、絶妙な“ゆるさ”を感じずにはいられない。
●『恋するレシピ ~理想のオトコの作り方~』(米、2006年、原題:Failure to Launch)
ビデオスルー作品の邦題、特にラブコメ作品においては、カタカナ語が頻繁に使われる。また、後述するが、“理想”という言葉も頻出ワードのひとつ。同作の邦題はまさに、「ビデオスルー作品邦題レシピ ~理想のタイトルの作り方~」といえるだろう。
■「恋愛ネットニュースまんまじゃん!」系タイトル
ここから紹介する3作は、そのまんま恋愛系のニュースサイトや女性向けキュレーションサイトの記事のタイトルになりそうな邦題だ。
●『理想の彼女と3日間で恋に落ちる方法』(米、2007年、原題:Moving Mcallister)
まずはこちら。これにぼやかした具体例と数字を入れれば、完全に記事タイトルだ。
つまり、【あえて絵文字は…理想の彼女と3日間で恋に落ちる方法7選】。
●『理想の恋人を見つけるための7つのジンクス』(米、2000年、原題:Boys And Girls)
またまた、“理想の”である。「ラブコメ理想掲げすぎ問題」も浮上してくる今日この頃だが、これもぼやかした具体例を入れてみると…。
【理想の恋人を見つけるための7つのジンクス!毎日鏡に向かって…】と、恋愛コラムのできあがりだ。
●『私にもできる!イケてる女の10(以上)のこと』(米、2013年、原題:THE TO DO LIST)
あらためて、これは映画のタイトルである。
もしこのタイトルの恋愛コラムがあったとすれば、おそらく10以上ある項目のうちの6項目くらいは、「え、これ全部ひとつで括れない?」という内容になるだろう。
■「会議風景が見てみたい!」パロディ系タイトル
ここからは、「そのタイトル、どんな大人が集まって決めたんだろう?」と会議風景に興味がわいてしまうような邦題を紹介しよう。これこそ、ビデオスルー邦題の“ゆるすぎる”世界の真骨頂だ。
●『26世紀青年』(米、2006年、原題:Idiocracy)
ご存知、映画化もされた浦沢直樹作のマンガ『20世紀少年』のパロディだ。この『26世紀青年』の素晴らしい点は、『20世紀少年』自体がT・レックスの名曲『20センチュリー・ボーイ』を和訳したパロディ的題名であるにも関わらず、さらにパロディを加えていることである。
とりあえず、西暦2500年代の青年が主人公として描かれているのでは?という想像がつくだろう。
●『アダルトボーイズ遊遊白書』(米、2013年、原題:Grown Ups 2)
こちらも、日本のマンガパロディ。
「すみません、『幽遊白書』の“幽”を“遊”に変えるっていうのはどうですか?」
「お!お前、遊び心があっていいな!お前こそがアダルトボーイだ!」
という会議が行われたかどうかは定かではないが、アラサー世代はクスっとすること請け合いのタイトルだ。
●『ジェイミー、童貞やめるってよ』(英、2012年、原題:LOVE BITE)
最後に紹介するのはこちら。
元ネタである『桐島、部活やめるってよ』の映画版が公開された当時、日本社会には多種多様な“やめるってよ”パロディや捩(もじ)りがあふれたものだが、このパロディ邦題の内容はなかなかにセンセーショナルだ。
もしモテない中学生男子のあいだでこの“やめるってよ”の噂が流れた場合、誰かが部活をやめるどころではない衝撃が走ることだろう。
このように、ゆるすぎる8作の邦題を紹介してきたが、大事なのは、邦題のゆるさと作品クオリティーは関係がないということだ。紹介した中にも、本国での批評家の評価が非常に高い作品も複数ある(逆も然りだが…)。
自分だったらどんな邦題を付けるか…。映画を観てみて、そんな楽しみ方をするのもアリかもしれない。
(文/しらべぇ編集部)
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