ホリエモンの時代は終了?流行語大賞受賞の「あの高校生」に聞く【たかまつななのお笑いジャーナリズム論】
2015/02/21 11:00
「俺はテレビに出ないことにしたんだよね」
今から3年前のことですが、鮮明に覚えています。この言葉を発したのは私と同じ年の梅崎健理様こと、通称「うめけん」です。
流行語大賞トップテンの「~なう」を高校生時代に受賞。今は起業し、ディグナの社長を務めています。うめけんと出会ったのは、3年前です。慶應大学に合格した者が集まるパーティで知り合いました。彼は、私がお笑い芸人を目指すきっかけとなった爆笑問題さまとすでに共演を果たしていました。
私たちは、生まれた時からITに親しんでいる世代をデジタルネイティブと呼ばれる世代だそうです。そして、うめけんは、デジタルネィティブの代表者としてメディアや講演会などをしています。
私はお笑い芸人として、1年目からテレビに出させていただき、芸人としては恵まれています。ですが、それに満足したことは一度たりともございません。
それは、私の通う慶應大学に、紅白出場を果たした歌手の方や、オリンピックでメダルをとる子、CMで年間1億円稼ぐ子やトップアイドル、起業家などがたくさんいるからこそ、まだ芸人として半人前だと思うからなのかもしれません。
肩書きは芸人であり、学生。しかし、比較対象は同世代のプロの第一線で活躍する学生。勝ち負けなどで割り切れませんが、確実に私は敗北感に満ちております。
そして、その敗北感を最初に感じさせたのが、うめけんの「テレビに出ないことにした」という一言でした。その言葉の真意を確かめたことはありませんが、うめけんとはいつの間にかに食事に行く仲になりました。
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■ツイッターとフェイスブックそしてホリエモンの時代は終わった
そんなお友達であるうめけんが本を出しました。タイトルは、「ツイッターとフェイスブックそしてホリエモンの時代は終わった」。度肝を抜かれました。21歳で本を出すことも凄いのに、さらにこのタイトルをつけるなんて。これからネット界はどうなっていくのか?
気になって、うめけんに話を聞きました。
「インターネットが普及し、ネット界で何をやっても儲かっていたのが、ホリエモンの時代です。今は、もうネットは新規開拓事業がほとんどなく、従来の模倣しかないのです」
とのこと。確かに、競技人口も多くなり、目新しいことは少なくなってきたかもしれません。では、これからどのようなネット世界になるのか、うめけんに聞いてみました。
「これからはニューアナログの時代が到来すると思います。ネットでの買い物は寂しいです。服をお店に買いに行ったら、店員さんが丁寧に対応してくれます」
私は、お洋服をお母様に買いに行っていただくため、よく分かりませんが、たしかにデジタルが絶対的で、アナログだから悪いとは言い切れなさそうです。
「僕は、人間と向き合う楽しさや、アナログなモノの使い心地をデジタル世界で実現しようとしています。例えば、各ホームページにマツコというチャットシステムを導入します。洋服サイトを閲覧している方に、“この上着だったら、シャツはこちらの方がおすすめです”等とマツコがチャットで話しかけるんです。そうすることで、寂しくない消費ができます」
たしかに、ネットが便利すぎる反面、それを使いこなせなかったり、ネットの情報から読み取れない部分が私自身多くあります。デジタルとアナログ、双方の長所を活かすニューアナログ。これは期待できそうです。
ちなみに、うめけんとの対談は、YouTubeたかまつななチャンネルにございます。ぜひご覧くださいまし。
(文/お笑いジャーナリスト・たかまつなな)