なぜ食べログの札幌ランチ上位はラーメンが独占しているのか? 名店3軒も紹介
画面はスクリーンショットです
『ミシュランガイド北海道版』も発売されているほどの「食の都」、札幌。道内各地から海の幸、山の幸が集まり、寿司、カニ、ジンギスカン、スープカレーなど、思わず食べたくなるグルメが盛りだくさんだ。
ところが、そんな札幌の「グルメランキング」に不思議なことが起きている。人気グルメサイト『食べログ』 のランチ上位が、ラーメン店に「独占」されているのだ。
トップから4位まではすべてラーメン店、10位までのうちじつに7軒をラーメン屋さんが占めている。たしかに札幌ラーメンの名は全国区だが、グルメの選択肢は多いはずなのになぜなのか?
その理由を探るため、まずは実際にトップ3の店に行ってみた。
画像をもっと見る
■彩味(ランチ1位/総合3位)
中心街すすきのから地下鉄で3駅。美園駅近くの何の変哲もない住宅街の中に、ランチランキング1位の店はある。吹雪でも行列が絶えないところからも、その人気ぶりが伺えるだろう。
彩味は、味噌ラーメンの人気店「すみれ」で修行した「すみれ系」と呼ばれる1店で、製麺所もすみれと同じ黄色いちぢれ麺。
コクのある味噌スープの上には、野菜を炒めた熱々のラードが浮かぶ。チャーシューにのったおろし生姜と相まって、体の芯からぽかぽかと温まる。
札幌ランチの頂点に輝くのも納得の、とくに冬にはうれしい一杯だ。
【彩味】
札幌市豊平区美園10条5-3-12
営業時間 11:00~15:15 17:00~19:30(L.O.)
■麺屋高橋(ランチ2位/総合52位)
札幌ドームのある福住駅は、地下鉄の終点。そこからさらにバスかタクシーで5分ほど走った住宅街にある1軒。こちらはラーメンもあるが、推しは、魚介系つけ麺。
小麦の香りあふれる美しいストレート麺が、どろっと濃厚な煮干し系のつけ汁によく合う。麺の盛り付けからもわかるが、東京の人気店でも、ここまで丁寧においしいつけ麺は珍しいかもしれない。
冬は、あつ盛りにしてスープ割りでしめれば、じゅうぶん温まれる。
【麺屋高橋】
札幌市豊平区月寒東1条19-2-72
営業時間 11:30~15:30 18:00~21:00(スープが無くなり次第終了)
■菜々兵衛(ランチ3位/総合7位)
雪まつりで知られる大通り駅から、地下鉄で5駅の南郷7丁目で下車。さらにバスで10分というエリアにあるこちらのお店。都内のニューウェーブ系のような、鶏白湯ラーメンが売りのようだ。
表面がすこしざらついたストレート麺が、濃厚ながらもあっさりした白湯スープとよくからむ。やわらかい穂先メンマは、上品な一杯のバランスをとったものだろう。
これだけ見て、札幌ラーメンと言い当てられる人は、少ないかもしれない。洗練と進化を感じさせるラーメンだ。
【菜々兵衛】
札幌市白石区川下3条4丁目3-21
営業時間:平日/11:00~15:00 18:00~21:00 土・日・祝/11:00~15:00
■価格で見ると、スープカレー>ラーメン
今回うかがった3店は、どれも街の中心からはかなり離れている。にもかかわらず、人気上位に輝き、しかもランチランキングがラーメンで占められているのは、なぜなのか? 札幌の飲食店事情にくわしい関係者に話を聞いた。
たとえば、スープカレーも札幌ランチの代表格ですが、だいたい1食1000円を超えます。美味しいけれど、お会計のとき「高いな…」と思うこともある。
ラーメンだと700円くらいでお腹いっぱいになるので、行く頻度が増えるのかもしれません。私たち道民だと毎日のことなので懐事情も関係してきますが、道外からの方にはよくオススメのラーメン屋を聞かれますね。
「ご当地ラーメン」という言葉が一般化した今、「ラーメンで地方の個性を味わいたい」という人も増えており、彼らの口コミがランキングを押し上げている可能性もある。そこで、アンケートサイト「マインドソナー」を使って、調査を実施した。
Q.旅先でおいしいものを食べるとき「ご当地ラーメン」は外せない?
・はずせない:28.5%
・そうでもない:71.5%
さまざまなグルメがある中で、「その地方のラーメンは必ず食べる」という人が3割に迫る勢い。やはり「国民食」とも言われるラーメンの力は、偉大なようだ。
札幌のラーメン店には、こうした人気と口コミを励みにさらなる進化を期待したい。
(取材・文/しらべぇ主筆・タカハシマコト)
[app_ios_download_link][app_android_download_link]
・合わせて読みたい→【北海道グルメ】なぜ文具店の中に? 札幌味噌ラーメンの元祖「味の三平」を堪能