【タル坊のアジアでなんぼやで】実体験・中国人は2種類にわけられる説
2015/01/17 13:00
「中国人は、大雑把に言って2種類に分けられる」と言う人がいます。ひとつは「悪いやつ」と、もうひとつは「ゴッツ悪いやつ」だそうです。
このブラックジョークは、とある国会議員の持ちネタなのですが、中国に駐在して働いている日本人や、行き来して関わりを持っている人にかなりの割合で納得されます。
国の指導者から庶民まで根拠なくもっている我中心の中華主義。フェラーリのニセモノまで売っているパクリ企業と市場の存在。トップからペーペーまで当たり前にお金をくすめる賄賂の習慣。道徳感ゼロの偽造食品の数々…。
中国在勤経験者のみなさんがもつ「悪いやつ体験値」が一瞬に一致して、「いや良いやつもいるよ」と弁護する前に、中国人2種類説に多くが「なるほど」と笑ってうなずいてしまうのでしょう。
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そんな北京で9日間入院して請求が308万円!
とある北京での深夜、七転八倒の腹痛に襲われ、北京勤務の友人2名に頼んで、ユナイテッド・ファミリー病院というところへ担ぎ込まれました。あまりの激痛に「モルヒネを打ってくれ!」と叫ぶ私に、白衣も着ずにつったっている中国人看護士が言います。
看「クレジットカードあります?」
「ポケットにあるやろ!」(叫ぶ)
看「これ限度額はいくらですか?」
「200万が3枚あるはず。モ、モルヒネを打ってくれ!」(叫ぶ)
看「え~と、個室は一泊20万円になります。きょうは個室しか空いてないですが、いいですか?」
「いいも悪いも考えられる状態じゃない、イタタタタッ、金は払う、治療をしてくれ!」と言ってちょうだい。
「悪い病院」に担ぎ込まれたものだ。手術になったらどうしよう。「中国の病院で手術を受けてはいけない、患者が麻酔で眠っている間に、二つある正常な臓器のひとつを取り出し売り払う」という都市伝説のような話も聞きます。ここはそんな「ゴッツ悪い病院」かもしれない…。
308万円も払ったら、看護婦は水着やろ!
バブルの頃、ホテル側の手違いというラッキーで、白金台のシェラトン都ホテルのペントハウスに14,500円の通常料金で1泊したことがあります。
カトリーヌ・ドヌーブが滞在した部屋で、リビングダイニングが50畳にシャンデリア、ベッドルームが20畳、家具はすべてロココ調、お風呂周りはオール金色メッキ…で、1泊料金が25万円でした。
そこまでとは言わないが、北京ユナイテッド・ファミリー病院よ。1泊20万円なら床は緞通、ベッドは猫足、お風呂はチャイナボーン…見たこともない豪華な病室だろうな!と思ったら、まったく普通、合板壁の部屋です。
主治医のチャン先生(71歳)に手術を受けているときも、冗談で毎日言ってみました。
「チャン先生、300万円も支払ったら日本の病院でしたら看護婦は水着です。10時と3時に病室訪問ダンスタイムがあります」
「ホホホ、ここではそういうサービスは無いです」
1泊20万円×9日間=180万円が病室代、128万円が治療代。きっと海外渡航保険に加入していることを見越してのぼったくり料金、やはり中国には「悪いやつ」と「ゴッツ悪いやつ」しかいないと思わされた経験です。
病気は急性膵炎でした。胆嚢に石ができ,膵臓管を石がふさいで消化液が逆流し、膵臓を溶かすというとんでもなく痛い病気です。日本で治療を1か月したのちに胆嚢摘出手術の必要があります。
チャン先生からすべてのデータをもらって大阪へもどり、検査が凄いという北新地の辻先生のもとへ。分厚い臨床データとMRI写真を長い間見入っていた國村準そっくりの辻先生が、ゆっくり顔をあげてしみじみ言いました。
「あんた、よう生きてたな。中国人の医者に感謝せなあかんわ」
中国人にも良い人がいます。チャン先生です。
(文/しらべぇ海外支部・タル坊)
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