広場で7万人がキスや花火まで!刺激的なイタリアの年越しカウントダウン
2014/12/31 11:00
2014年も残すところあと少し。大晦日、あなたは身内や親しい友人とお家でのんびり派? それともイベントで派手にカウントダウン派? 師走の忙しさに気を取られて、気がついたら無計画なまま大晦日に! なんて方も多いかもしれませんね。
今回は、イタリアの様々な街で7回の年越しを過ごした筆者が、日本とはちょっと違ったイタリアの刺激的な年越しネタを皆さんにいくつかご紹介いたします。
火の海と化すナポリのカウントダウン
「ナポリを見てから死ね」のことわざまである、美しい地中海の景色を持つナポリ。しかし大晦日に関しては、ナポリに行ったら死ぬのでは…と心配になる定番行事があります。
それは、クリスマス明けの26日、街の至るところで爆竹がはじけることからスタート。爆竹の数は日に日に増え、クライマックスとなる年越しの瞬間には四方八方から花火が飛び交っており、毎年けが人や死者が出ます。
私がナポリ近郊でクリスマス休暇を過ごした年のこと。クリスマス前から、滞在先のママやおばあちゃんがソワソワし始めたのを覚えています。「クリスマスを過ぎたらとうぶん洗濯物が干せない」と。
「なんで?」と聞くと、「上から下から右から左から爆竹や花火が飛び交って、外に干した洗濯物が燃えてしまう」とのこと。古くは、「大きな音で邪気を取り払う」や「新年への喜びの表現」という言い伝えがあったそうですが、もはやそのような意識を持った人がいるかは謎です。
身の危険を察知した筆者は、31日の夜8時の飛行機でナポリを後にしたのですが、その時に上空から見たナポリの街全体が真っ赤に火を放っていたことは、忘れられません。
7万人がキスをするヴェネツィア
ある年は、年末年始で日本から観光に来た友達が「大晦日はヴェネツィアで過ごしたい」と言うので、筆者も気軽な気持ちで「年越しはヴェネツィアで」なんてイタリア人の友達に言いふらしていました。
すると、返事は決まって2パターン。「誰とキスするの?」もしくは「キスされちゃうから気をつけて!」。正直、意味不明でしたが、「なんかイタリアっぽい!」と思い、7万人が集まるというヴェネツィアのサンマルコ広場の年越しカウントダウンに行ってみました。
盛大にカウントダウンするのかと思っていたら、カウントダウンの声がそもそも聞こえませんでした。なぜなら、みんなの口がキスで塞がっていたから…。7万人が年越しの瞬間にキスしているんです! このイベント、キスしたい相手がいる人達が、参加してキスをするもののようです。友達と一緒に行った筆者はキスすることなく年越しになりました。
ちなみに、昨年末に行われた某SNSユーザー8000人(18カ国)対象のアンケートで、「広場でキスをするヴェネツィアのカウントダウン」が「世界一変わった年越しの習慣」に選ばれたそうで、ヨーロッパ内の注目度が高まっているようです。
カップルはお決まりの赤下着を着用
古くからの言い伝えで、今もなお継承されている最も定番の年越し習慣といえば、「赤い下着」。大晦日の日に赤い下着を着用すると幸運が訪れるということで、クリスマス商戦の時期から、男女ともに赤い下着が多く店頭に並びます。
なぜか女性ものはシースルーやTバックなどセクシーなものが多く見られるのは、お国柄。筆者も1度クリスマスに赤い下着をもらったことがありますが、Tバックでした。
街を上げた大掛かりな屋外イベントのカウントダウンも、屋内での年越しも刺激的な要素が濃く出たイタリアの習慣。日本古来の静かな年越しとはかけ離れているかもしれませんが、カウントダウンをめいっぱい喜びで満たしたいという気持ちは見習いたいもの。
意外とマンネリ化な年越し行事が今年は少し特別なものになるように、新しいエッセンスを取り入れてみてはいかがでしょうか?
(文/しらべぇ編集部・砂流恵介・辰巳真理)
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