【時代劇】『水戸黄門』の水戸光圀役は、5代中3代が“ニセ黄門”経験者

しらべぇ1227水戸黄門

TBSの長き歴史に燦然と輝いた長寿番組『水戸黄門』。主演の水戸光圀役は、5人の俳優が務め、このうち3人ニセ黄門役の好演がきっかけで、“ホンモノに昇格”した。


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■栄光の黄門様役

水戸光圀役最大の特徴は、レギュラーメンバーの中では最年長、なおかつ男性陣の中ではもっとも背が低いこと。初代の東野英治郎と、2代目の西村晃は身長150センチ台、3代目の佐野浅夫は160センチ台、4代目の石坂浩二と、5代目の里見浩太朗は170センチ台である。

助さん(佐々木助三郎)格さん(渥美格之進)の身長は、光圀を上回らなければならない。番組開始当初、初代助さん役の杉良太郎が初代格さん役の横内正よりも背が高かった。しかし、第3部で2代目助さん役として里見が起用されると逆転。以降はこのパターンが定着し、第41部まで続いた。

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■西村のニセ黄門役はテストだった

しらべぇ1227水戸黄門2西村は第12部でゲスト出演し、旅役者兼ニセ黄門の役を演じた。役人はその一座を光圀主従だと思い込んでいたのだ。

『これが水戸黄門だ!』(日之出出版刊)によると、東野が番組降板を考えており、西村のニセ黄門は“テスト起用”だった(蛇足ながら、第12部の再放送では、この回だけ放映されていない)。次作の第13部で東野が退き、2代目として西村の起用が決まった。


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■真正面から立ち向かった佐野のニセ黄門

佐野は第21部でゲスト出演し、ニセ黄門役を好演。次作の第22部から20世紀最後の第29部まで、3代目光圀役を務めた。

さて、佐野が出演した回は、宇和島の飲食店で光圀の“大食い”をめぐり、確執が生じ、助さん格さんとケンカ別れ。その後、佐野扮する元宇和島藩士が助さん格さんの腕を見込んで近づき、悪退治の協力を依頼した。

役人らは光圀主従となかば勘違いし、助さん格さんはホンモノという変わった展開。のちにニセ黄門の正体がバレるが、最後は光圀が締めた。蛇足ながら、光圀の“食に対する怒り”がおさまらず、「弥七、もういいでしょう」「八兵衛、お銀、まいりましょうか」と助さん格さんを相手にしなかった。


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■2代目助さん時代に3回ニセ黄門に扮した里見

2代目助さんを17年演じた里見は、第13・14・17部でニセ黄門に扮した。

第13部では副将軍の正装。第14・17部では縮緬問屋の隠居の姿で、うっかり八兵衛が“ニセ助さん”となり、“悪の巣”に乗り込んだ。光圀より身長が10センチ以上高いのに、悪党どもは助さんみずから正体を明かすまで、ニセ黄門にまったく気がつかないのも面白い。

当時、番組のプロデューサーだった逸見稔は、「3代目水戸光圀は、里見浩太朗」の青写真を描いていたらしい。実際起用されたのは、2代目助さん役を降板してから14年後の2002年で、5代目イコール最後の光圀役を務めた。


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■ホンモノにされたニセ黄門

番外編として、2人のニセ黄門をあげておきたい。

1人目は、うっかり八兵衛役の高橋元太郎が第14部でニセ黄門を演じた。

2人目は、小松政夫。第20部でニセ黄門役を演じた。小松扮する大工が悪の追っ手から逃れるため、じいさんに化けたら、光圀主従と勘違いされた。ニセの助さん格さんとともに夜逃げしようとするも、ホンモノの助さん格さんに目をつけられてしまう。

光圀は日光で出会った左甚五郎とともに、先に江戸へ向かい、悪退治を助さん格さんに任せた。その後、堪忍袋の緒が切れた助さん格さんは印籠を出してしまい、ニセ黄門を“ホンモノ”に仕立ててしまう。さらに日光奉行まで登場し、助さん格さんが窮地に追い込まれるが、なんとか乗り切った。

(文/しらべぇ編集部・岸田法眼

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Sirabee編集部

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