「政治とカネ」気になる有権者は8割超え なぜあの候補者は優勢なの?【衆院選2014】
2014/12/13 21:00
小渕優子前・経産相(衆院群馬5区)が、観劇会や下仁田ネギなど、不透明な政治資金にまつわる問題で辞任したのが、10月20日。同日、松島みどり前・法相(衆院東京14区)も、選挙区内で「うちわ」を配ったことが、公職選挙法の「寄附行為」にあたると批判され、更迭された。
小渕氏の後釜となった宮沢洋一経産相(参院広島県)は、広島市内にあるSMバーでの支出を政治資金として処理していたことが判明。国内外もメディアに大きく取り上げられた。
他にも、高級ブランドへの支出を「渉外費」として処理していた西川公也農水相(衆院栃木2区)、みずからの政治資金団体から「本人あて」に寄付をしたことが国会で追及された江渡聡徳防衛相(衆院青森2区)、政治資金報告書の記載漏れが報じられた御法川信英副財務相(衆院秋田3区)など、政治や選挙とカネにまつわるスキャンダルは途切れることがないようだ。
有権者が政治家を選ぶ際、こうした金権問題は影響をおよぼすのだろうか?しらべぇ編集部では、全国1880名に調査を実施した。
Q.「政治とカネ」の問題は、候補者を選ぶ際に気になりますか?
・気になる:81.8%
・気にならない:18.2%
8割を超える人が、「政治とカネの問題は、投票のとき気になる」と回答。 ところが不思議なことに、小渕氏はじめ、政治資金や寄付の問題で批判された候補者は、総じて優勢が伝えられている。
彼らの選挙区の有権者は、政治とカネ問題にまったく無頓着なのか? 地域別のデータを見てみよう。
【政治資金・寄付問題が批判された候補者の選挙区における「気になる率」】
・青森県(江渡聡徳防衛相/青森2区) :85.0%
・秋田県(御法川信英副財務相/秋田3区) :92.5%
・群馬県(小渕優子前・経産相/群馬5区) :85.0%
・栃木県(西川公也農水相/栃木2区) :87.5%
・東京都(松島みどり前・法相/東京14区):80.0%
東京都を除き、すべての地域が平均を上回って「気になる」と回答。もっとも高い秋田県では9割を超えている。
とはいえ、政治資金など、しょせんは他人のカネの話。実際、しらべぇ既報のとおり、「今回の選挙でもっと争点になるべき政策テーマ」という調査で、トップは「景気対策」。「政治とカネ」は上位10位にランクインしていない。
■「もっと争点になるべき政策テーマ」TOP5
ほとんどの人が「気になる」と答えながら、それ以上に関心が高いのは、景気や福祉、消費税といった「自分とカネ」の問題。「ネギ」や「うちわ」が配られるわけである。政治家より現金なのは、有権者なのかもしれない。
(文/しらべぇ編集部)