【コラム】美容師が「お客様に話してて阿修羅面に変わっていった」言葉TOP5
2014/09/16 18:00
皆さんこんにちは。粛々としがない美容師をやっている木村直人です。さて、私はあくまでイチ美容師なわけなんですが、まぁ10数年美容師をやっていると色々あるものです。
そんななか今回は、あるランキングを発表したいと思います。
その元となるのは、しらべぇのこの記事(「美容師に聞かれたくないことランキング」から見えた、どうでもいい会話の重要性)。ここには、「美容師に聞かれたくないこと」ランキングなるものが紹介されているのですが、私は思いました。
「何故これを俺に書かせないのか…」
そう、まさに現役です。アンケートとリアルを織り交ぜながらよりドラマチックに話題を提供できた事でしょう。誠に残念です。
ですが私はさらに思いました…。
「そういえば、カットしてて、不在の時にアシスタントが言う他のお客様に対しての発言で気になる事はあるな…」と…。
と、いうことで私が思う…「私がその言葉を聞いて阿修羅面に変わっていったランキングトップ 5」を発表していきます。
■第5位(阿修羅度 20%):「いきなりタメ語」
基本的にどんな方であれ、根本姿勢は「敬語」と指導しており、それにおいては現代で言えば当然ともいえますが、稀にうっかり出てしまう人もいます。
しかも…お客様が「年下っぽい方」ともなると目を話すとつい…
「え~マジで~?」などという…
「え〜マジで〜?」
などという…!!!
そんな時に耳がダンボな私の心境をわかっていただけますか…? アシュラマンの面が1/4程回転しそうになっています。
よって20%。
■第4位(阿修羅度40%):「この後どうするんですか?(連発)」
「この後どうするんですか?」。これ、己には全く関係ないということが何故わからんのだ…。苦し紛れな会話ならする必要はありません。
しかも!
美容室では、手がけるスタッフが何人か変わったりするものです。気をつけて見るようにはしていますが、同じ事を3、4回言っていたりします。
そんな時は「阿修羅バスター」をくらわせたい心境になっているのですが、ぐっと堪えて阿修羅面を1/3程回転させるにとどめています。
いいですか?
「その会話はあまり関係ありません。いいですか」
■第3位(阿修度60%):「そもそも話を聞いてない」
会話に夢中になるがあまり、己の事を喋りすぎてお客様の話を全く聞いていない瞬間。
お客様「あっ、うっ…」
当事者「それでですね~! あれなんですよね~! わーわーキャーキャー…」
美容室アシスタント特有のマシンガンドロップを繰り出しているわけなんですが、僕は逆に「阿修羅火玉弾」をサンシャインとタッグで繰り出したくなります。
一言よろしいですか…
「お前の話を聞きにきているのではない」
しっかりと聞き出し、会話のバランスは8:2 (8がお客様)くらいが理想バランスかと。(これに関してはわかりませんが…)
とにかくそういう時に阿修羅面が1/2程回ってしまいそうになります。そこはぐっと堪えて先にすすみましょう。
■第2位(阿修羅度80%):「髪傷んでますね~☆」
シャンプーをしながら気軽に、「髪傷んでますね〜☆」と朗らかに。……挙句、お客様に…
「カラーしたからじゃないですかねぇ。」
なんてことを言われている姿と、スカウターを持つベジータがフリーザの戦闘力を見ようとして「ボンっ!」と壊れてフリーザに「私の戦闘力は53万です」と言われたくらいの絶望感がリンクした後…
「阿修羅稲綱落とし」
を食らわしたいくらい阿修羅面がMAXに回りそうな瞬間でしたが、ここは堪えましょう。
「傷んでる」なんて発言は安易にするものではありません。現実、サロンでお薬を使わねばならない場面も多々あります。そうして出てしまう致し方ない場面もある上、そういうコンディションを整えるのが仕事です。せめて後に繋がる言葉を考えましょう。
私ならば、「ダメージを感じる部分もありますが~こうして~こうやって対処して~していきましょうね☆ニッコリ」と、もう少し考えた文脈を立てます。にしても、いちいち自ら言う必要もなく、聞かれた時に答え方を考えることが一流であると思います。阿修羅は2/3程回る瞬間ですね。
そして…
■究極の第1位(阿修羅度 100%)
バレンタイン、ホワイトデー、クリスマス、花火大会、エトセトラエトセトラのイベント時にての…
「今日○○行っちゃう感じですか?」
「今日どうするんです?」
「今日お後はお楽しみですか?ウフ」
……わかりますか…その時の心境…わかりますか……
「てめぇ~にはかんけぇねぇんだよぉぉぉぉ!!!!」
わかりますか…。例えるなら、エレン・イェーガーがお母さんを巨人に食べられた瞬間。カネキが半赫者になるべくグールを共食いしまくってる時の感情に似ていますね。
一瞬で沸点までいくこの感情。阿修羅面は当然MAXまで回り、怒り面にシフトします。完全に「アルティメット阿修羅バスター」を繰り出したくなります。ていうか繰り出します。
どんなイベント事があろうが、その場にいるわけでもなく、何かするしないは我々が関与していいところでもなく、ましてや担当している私共でもかなり牽制した状態から「聞くか? 聞かないか?」みたいなジャッジを頭の中で繰り返しており、その多くはあまり触れずそのまま任務を遂行するくらいにデリケート。そしてセンシティブな場面でもあります。
私自身、クリスマスにおいて1人ラーメン、1人牛丼なども平気で行ってきましたが、もしやそういった場面でいちいち聞かれたらはっきり言ってウザい! でしかないでしょう。
別にそういった日でも淡々と過ごす場合もある、もしかしたら楽しく過ごす予定もある。その辺のジャッジは別に会話の中に織り交ぜる必要性もなく、言われたら「ああ☆そうなんですね。いいですね☆」と言うくらいで充分です。こちらから突撃していく会話ではないでしょう。完全に読み違えた空気を感じたら、阿修羅面はもう一回転すると思います。
……っと、いかがでしたか? 現役の「イチ!美容師」がお届けする“お客様に話していて阿修羅面に変わっていったトップ5”。業界のみなさん、貴方は当てはまってませんか?(ちなみに今までのキャリア上での話なので現在の所属組織での話ということではありません)
それでは。
(文/美容師・木村直人)
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